新型コロナウイルスの影響による1~2月に起きた経済活動の急激な落ち込みを経て、現在、投資家は中国経済の正常化に向かうペースに注目している。ここ数週間、当局は封じ込めと都市封鎖政策を徐々に緩和し、工場の再稼働に向けた業務再開の動きを強化している。新型コロナウイルス発生の震源地とされる武漢の都市封鎖は4月8日に解除された。

経済活動は徐々に再開へ

公式の月次経済指標よりも即時性があり経済活動の分析に適した指標がいくつか存在する。そうした指標全体からは、2月中旬以降、特に工業生産、建設、不動産販売において、経済活動が徐々に回復しつつあることが示されている。

例えば、主要電力会社の日次石炭消費量は増加が加速しており、鉄道で運搬された石炭量は2018年の水準に匹敵する。現在は鉄鋼炉も稼働をはじめ、大気質指数の全国的な単純平均も通常水準に近くなっている。

工業情報化部(MIIT)によれば、湖北省以外の大規模、中規模企業の95%以上が3月中旬までに操業を再開し、製造業が盛んな主要省では既に100%近くに達している。