つまり、半年程度を倒産せずに生き残るか否かが決定的に重要なのです。企業は生きていればすぐに元気になりますが、倒産してしまえば設備がスクラップ業者に叩き売られ、組織のノウハウや信用や顧客リスト等々が雲散霧消してしまうわけです。それは当事者にとってのみならず、日本経済にとって大きな損失です。
つまり、半年程度生きのびるか否かが勝負だという点が通常の不況と異なるわけです。そうであれば問題は、半年間の資金繰りを政府が助けるべき、ということになります。
雇用も半年後には戻るわけですから、その間の解雇を防ぐべく、雇用調整助成金等々の充実が求められる、というわけです。
この点、政府の大方針は正しいと思います。ただ、制度の存在を知らずに倒産してしまう中小企業が多い、申請の手続きが面倒で審査に時間がかかる、といったことは大いにありそうで、危惧されるところです。
スピード感を大切に
資金繰り支援をするとなれば、たとえば緊急融資をするわけですが、「ゾンビ企業にも貸すのか」「収入が減ったことをどうやって証明させるのか」といったことにこだわりすぎてはいけないと思います。
今は非常時ですから、完璧を求めてはいけません。ある程度の失敗はあったとしても、「完璧を求めて支援が遅れて多数の企業が倒産してしまう」といった事態を避けることが最重要だと思います。
以下に、筆者のアイデアを記します。これがベストだということではなく、こうしたイメージで考えていただきたい、ということです。
基本的な考え方は、「資金を交付しようとすれば、対象を慎重に絞る必要が出てくるので、まずは幅広く資金を貸与しよう。その上で、返済させる相手と返済を免除する相手をじっくり選別すれば良い」ということです。