予想を上回る出費のリスクがあるのは?

親の介護費用

老後破産に至るのには、「貯蓄が不十分だったから」ということだけではありません。「貯蓄はしていたけれど、それを上回る出費があった」ということもあるのです。

その「予想を上回る出費」の一つが親の介護。たとえ親が「子どもの世話になるわけにはいかない。お前たちに迷惑はかけない」と言っていたとしても、蓋を開けたら資金が足りないというケースもありえます。

老人ホームへ支払う費用や家のリフォームにかかる費用、医薬品代、オムツなどの消耗品代といった介護費用は意外とかかるものです。介護の期間が長期化すればその分出費も増えることになります。

家族の間でもお金のことは話しにくいかもしれませんが、親の貯蓄状況の確認や、兄弟姉妹との費用負担についての決め事を怠っていると、こんなはずでは!という状況に陥ってしまうことになるかもしれません。

子どもの教育費

もう一つ、予想を上回る出費になる可能性のあるものに子供の教育費があります。「希望の学校に行かせてあげたい」「できるだけ苦労をさせたくない」というのは誰もが抱く親心でしょう。しかし、家計の現実を無視することはできません。

文部科学省の調べによると、2018年度の私立大学の年間授業料※(全学部平均)は約90万4000円、国公立大学は約53万5000円。そこに至るまでに、小中高を公立にするか私立にするか、あるいは塾などに通わせるかどうかでも必要額は変わってきます。

子どもの教育費だけに意識を向け過ぎた結果、老後に資金不足に陥れば、かえって子どもに迷惑をかけることになります。そのため、教育費と老後資金は別々に、かつ計画的に貯めておく必要があるのです。

※入学金や寄付金など初年度特有の費用を除く。