昨年は「老後2000万円問題」が大きな話題となりました。これをきっかけに、今まで以上に老後資金を意識し、貯蓄への意識が高まったという人も多いのではないでしょうか。

しかし、老後資金を用意していても想定外の出費で老後破産に至ってしまうケースもあるようです。その原因や老後資金を守るための心得を見ていきます。

70代の平均貯蓄はどれくらい?

まず、年金生活に入っている70代ではどれくらい貯蓄があるのかを見ていきましょう。

金融広報中央委員会(知るぽると)が2019年11月に発表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、70歳以上の金融資産※保有額は、平均値が1,978万円、中央値(データを大きい、または小さい順に並べたときに真ん中にある数値)は1,100万円という結果でした。

しかし、上記の結果は金融資産を保有している世帯に限った数値です。金融資産を保有していない世帯を含めると平均値は1,314万円、中央値は460万円で、貯蓄がある世帯とない世帯に大きな差があることが分かります。また、金融資産非保有世帯は31.1%、100万円未満は3.4%となっています。

一方、貯蓄はあったとしても想定外の出費で老後資金が足りなくなるリスクはあります。老後破産につながるケースにはどんなものがあるでしょうか。

※金融資産には預貯金、保険、株式や投資信託その他の有価証券などが含まれます。