「育児は育自」が黒い呪文になるとき

しかし、この「育児は育自」という言葉、使い方やタイミングを間違えてしまうと、頑張っているママたちを傷つけることにつながってしまいます。

先日、知人がこんなエピソードを話してくれました。

「子どもがほんと夜寝なくて…。こっちも寝不足でイライラしてたときに、ついママ友に『寝不足で心に余裕を持てないんだ』と愚痴ったら、『だめよ、そんなことでイライラしたら。育児は育自なんだから。そういう経験がママを強くしてくれるのよ』と言われた」

思わず「なんじゃそりゃ!」と叫んでしまった筆者。

──子育て中に何度も降りかかる辛いこと、しんどいことはすべて「自分自身が成長するため」に必要不可欠なもの。だから、愚痴も文句も言わずにありがたく受け止めなさい。

はたしてそれが「育児は育自」の真意なのでしょうか?

「それって結局、母親は自分を犠牲にしなさい、育児は自分を成長させてくれるありがたいチャンスなのだからってこと?」

知人とふたりで「育児は育自」の持つ意味についてひとしきり考察して出した答え、それは「NO」。