そうした個人差を踏まえた上で、我が子がお金で失敗しないように育んであげたいのが「適正な金銭感覚」です。

適正な金銭感覚がないと、お金に振り回される人生に

莫大な資産があって、どんなことがあってもお金に困ることがないという家庭ならともかく、ほとんどの人にとって適正な金銭感覚を持っていることは、自分の人生を守る上で大切なことです。

お金を使わず、貯金ばかりしていることが良いことだと言っているわけではありませんよ。

多くの人は欲しいモノを手に入れたり、やりたいコトをするため、あるいは将来の安心のために貯金をしていることと思います。それがいつの間にか「一番の趣味は、貯金!」とばかりに手段が目的化してしまうと、人生の目的を見失い、下手をすると晩年になってから「無意味な人生を送ってしまった…」と後悔することにもなりかねません。

逆に、見境なく趣味や付き合いなどにお金を使ってばかりいると、貯金もできず借金をつくってしまうこともあるでしょう。借金の返済のために借金を重ねてしまう人もいますよね。これもまた、お金に振り回される人生になってしまいます。

そうならないために必要な「適正な金銭感覚」とは、つまり、収入と支出のバランスを判断し、自分でコントロールしていけること。この感覚がしっかり養われていれば、個人的な趣味・嗜好から生まれる物欲や、自分のスキルアップに向けた投資のような、金額だけでは意義を計りきれないような支出をするかしないかというときにも、自分の頭で考えて結論を出すことができるでしょう。