すると先生からは「もちろんです! お母さんのお仕事の事情は承知していますし、この月齢だとお子さんがお家にいながらのお仕事は無理ですよね…」と事情を汲み取ってくださいました。保育のプロである保育園の先生たちが、誰よりも1歳半の子どもを在宅保育しながら在宅勤務をする限界を知っていてくれたのでした。
一方、2歳の子どもを持つ筆者の友人は、保育園が休園になった場合の業務について男性上司に尋ねたところ「会社に連れて来たらいいんじゃない?」と言われたそうです。
友人としては、休園で保育園に預けられなければ通勤も在宅勤務もできないので、業務分散の相談をしたかったのだといいます。しかし、まるで「電車で簡単に子どもを連れて来られるでしょ」「子どもがそばにいても仕事はできるでしょ」とでも言うかのような上司の返答に、子育てに対する職場の理解不足を感じてしまったそうです。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大防止策によって、働く子育て世帯はさまざまな問題に直面しています。子育てと仕事の両立の限界値が改めてクローズアップされているこのタイミングで、社会全体の子育てへの理解が進むことを願ってやみません。
【参考資料】
「学校の臨時休業の実施状況、取組事例等について【令和2年3月6日時点】」(文部科学省)
「保育所等における新型コロナウイルスへの対応にかかるQ&Aについて」(令和2年3月5日、厚生労働省)
富士 みやこ