赤字の原因、大部分が広告宣伝費による「先行投資」

しかし、決算書の内容や決算説明資料の詳細を読むと、今後のランサーズの見方が変わってきます。

2019年4~12月期の売上高24億4,300万円に対し、売上原価は11億4,600万円、販売費及び一般管理費が14億6,700万円でした。

つまり、純損失の大半が販売費及び一般管理費なのですが、この内4億3,000万円が広告宣伝費です。

売上高の約18%が広告宣伝費なのですが、これは通販・サービス業や化粧品業に匹敵する割合です。情報・通信業であるランサーズとしては割高だと言えます。

実は、ランサーズは2020年期3月期を「投資フェーズ」と位置付けており、特に上場直前期であった2019年4~6月期と7~9月期には広告宣伝費だけで3億7,300万円の投資をおこないました。

主な目的は「クライアント・ランサーへの認知を拡大するため」であり、実際にランサーズを利用するクライアント数・クライアント単価はともに上昇しています。

また、ランサーズとしては「弊社はすでに利益を創出できるポテンシャルがある」と発表しており、7~9月期単体では5,000万円の黒字、10 ~12月期単体では4,400万円の黒字となっています。