今後の影響拡大懸念が大きい業界は?
続いて、今後の影響拡大に対しての懸念の割合が特に大きい業界は、以下の通りでした。
製造業・・・51.78%
卸売業・・・47.34%
運輸業・・・43.44%
小売業・・・42.48%
金融・保険業・・・39.57%
製造業の2社に1社が今後の影響拡大を懸念しているほか、小売業や金融業も今後の事業活動への影響を懸念しています。
具体的な内容としては、「売上の減少」(構成比42.3%)、「現地サプライヤーからの仕入困難化」(30.1%)といった影響が想定されています。
また、各種イベントの相次ぐ中止に伴い、エンターテイメント産業や旅行産業への打撃も深刻です。
アメリカの経済チャネル「CNBC」が行った簡易調査では、アメリカ・アジア・ヨーロッパの大企業の9割が従業員の旅行を制限しているとの結果が出ており、今後、旅行業界においても深刻なダメージが見込まれます。
感染者が世界中に広がることで、世界的な株安の事態をも引き起こしている新型コロナウイルス。ヒトとモノの動きが滞ることで、日本経済にも深刻な影響をもたらし、倒産件数の増加が懸念されています。
また一方で、心理的な不安から特定の商品の買いだめの動きなども予想され、生活面への影響も気になります。今後、時々刻々と変化する状況を注視する必要がありそうです。
【参考資料】
『「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査』(株式会社東京商工リサーチ)
『湖北省、武漢市概況』(日本貿易振興機構(ジェトロ) 武漢事務所)
『Apple、投資家向けに四半期業績を更新』( Apple Japan 広報部)
『40% of biggest companies say coronavirus caused ‘major decrease’ in demand from China』(CNBC)
北川 和子