新型肺炎への警戒感から一進一退
2020年2月21日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より92円41銭安の23,386円74銭となりました。
新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、やや軟調な展開となりました。とは言ってもあらゆる銘柄がつるべ落としのように売られるわけではなく、一進一退の神経質な動きでした。
週初17日には、寄り付き前に2019年10~12月期の実質国内総生産(GDP)が発表されましたが、年率換算で6.3%と急減したことから、売りが広がりました。ただしその後は円安・ドル高などの影響もあってじりじりと買われ、19日、20日は続伸する場面もありました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。気になるのはもちろん新型肺炎の影響です。感染拡大がどこまで進むのかといったことに加え、それにより企業業績がどうなるのか、予断を許さないところです。
一方で、米国株については、現状はやや足踏み傾向となっているものの、総じて見ると企業の業績は堅調で底堅い展開が続くと予想されています。
注目すべきはここにきて急速に円安が進んでいること。20日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、一時は112円20銭台と2019年4月以来10か月ぶりの円安水準となりました。21日には4営業日ぶりに反発したものの、1ドル=111円50~60銭で取引を終えています。
米経済指標が好調である一方、日本は新型肺炎の広がりで景気後退に陥るとの懸念から、ドルが買われ、円が売られました。近年は「有事の円買い」などと言われ、リスク回避に円が買われる傾向がありましたが、さすがに今回は発生源の中国に近いということもあり、それが起こっていません。
円安は日本株にとっては追い風ではあるものの、新型肺炎の影響が見えない中では積極的に買いに行けないところです。しばらくは様子をうかがいながら、個別銘柄を物色する戦略となるでしょう。
今週は国内外で重要な経済指標の発表も相次ぎます。新型肺炎の影響が出て予想を下回るようなことがあると、市場が急落することもあるので注意が必要です。