人生100年時代に突入し、老後の時間はますます長くなっています。子供達が自立し、定年退職を迎えた後のことを考えると、「2人で毎日家で生活するなんて苦痛…」と思ってしまう方もいるかもしれません。

「別に離婚するほどでもないけど、あれこれ干渉されたくない」と考えているなら、”卒婚”という方法もあります。今回は昨年12月にNHKの『あさイチ』で取り上げるなどして話題の卒婚について見ていきます。

卒婚と離婚はどう違うの?

卒婚とは、「離婚はしないけれど必要以上に配偶者に干渉しない」「自分のライフスタイルを自由に楽しむ」という夫婦のあり方です。最近では定年退職をきっかけに卒婚という道を選ぶ熟年夫婦が増えているといいます。

婚姻関係は継続するので、相続権はそのままで、子どもや親戚などに迷惑をかける心配がないことがメリットといえます。また、本人同士が納得しているのであれば家庭内別居という手段も取れるので、離婚ほどの負担もかかりません。

明治安田生活福祉研究所が2018年10月に発表した調査「人生100年時代の結婚に関する意識と実態」(全国の40~64歳の男女12,000人を対象)によると、60代前半の男性の61.4%、女性の78.7%が卒婚を「良い」「どちらかと言えば良い」と感じているそうです。

ただし、配偶者からDVを受けていたり、モラハラで精神的な苦痛が発生しているという場合は、離婚を選ぶ方が良いかもしれません。自分の置かれた状況を踏まえ、必要であれば子供や親戚などにも相談して離婚すべきなのか、卒婚で充分なのかを考える必要があるでしょう。