たった10セントで「生活の満足度」は上がる?

ある実験では、回答者が生活の満足度について質問を受ける直前に、失くしたと思っていた10セント硬貨をコピー機の上に発見するよう細工がなされました。

硬貨が返ってきた回答者たちは、返ってこなかった回答者に比べ、自分の生活全般について、はるかに高い満足度を示しました。これぞ、最も安上がりで効果的な公共政策だといえるかもしれません。

けれども、もし回答者がみな、コピー機の上に10セント硬貨があることをあらかじめ知っていたとしたら、そうはいかないはずです

ポジティブな感情は、ある特定の領域で、物事が予想以上にうまくいったときに起きるからです。

生活の満足度という問いはあまりに漠然としていて判断基準が曖昧なため、おそらく回答者たちは、そのときの感情状態を一種のサンプルとして使い、10セントが戻ってきた小さな喜びを心の中に発見し、自分の人生はなかなかうまくいっている、と答えるのでしょう。

生活の満足度を判断する枠組みの中には、自分の現在と過去の比較だけではなく、他人の生活水準、あるいは可能性としてあり得た結果も影響を与えます。

自分が集団の中でどの位置を占めるかということも、人生をどう感じるかに大きな影響を与えるのです

ほとんどの人は、まわりが年収400万円の世界で自分が500万円稼ぐほうが、他人が年収2000万円の世界で1000万円稼ぐよりもいいと答えます。1000万円という金額より、他人と比較して多いか少ないかが幸せかどうかを左右するのです

レベル3の幸せについては、是非本書をお手に取って頂きたいです。
今までとは違う“幸せ”の捉え方が出来るのではないかと思います。

〈著者プロフィール〉
金森重樹
東京大学法学部卒。25 歳の時に1 億2000 万円の借金を負うも、マーケティングの技術を活用して35 歳で完済(著書『お金の味』に詳しい)。
その後、行政書士として脱サラし、現在は不動産、ホテル、福祉事業など年商100 億円の企業グループのオーナーになっている。
本業以外にも個人で日本最大である2 メガワットのメガソーラー発電所を宮古島に開設。
また断糖高脂質食を広めるためにTwitterで情報発信を続け、2020 年2月時点で9 万人のフォロワーがいる。
著書に『プロ法律家のビジネス成功術』(PHP 研究所)、『借金の底なし沼で知ったお金の味』(大和書房)ほか、監訳書にベストセラー『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート著、大和書房)、『まさか! の高脂質食ダイエット』(グラント・ピーターセン著、きずな出版)など多数。

〈書籍概要〉

『幸福の意外な正体~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』金森重樹(著)きずな出版(画像をクリックするとAmazonページにジャンプします)
幸福の意外な正体~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか
著者:金森重樹
発売日:2020年1月27日
定価:2,200円(税抜き)
発行:きずな出版

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