事情がわかればイラッとしないことも…

ここまでで紹介したように、「結末は予想もしないものだった」というケースが現実には多数あります。

それならば、迎えてみるまでわからない結末や相手の心情などを勝手に想像して、イライラするのはもったいないと思いませんか? イライラする時間が無駄であることはもちろん、怒りが抑えきれずに無駄なトラブルに発展することも否定できません。

怒りにまかせて相手を怒鳴りつけたものの、わざと無愛想だったわけではなく、体調不良や不慣れからくる緊張で表情がこわばっていただけだというケースもあります。体調が悪くなることは誰にでもありますし、初心者や引き継ぎの期間のため、慣れない作業やお客様対応につい表情がこわばってしまうこともあります。

そういった事情がわかれば「イラっとしなかったのに」となる人も多いのではないでしょうか?

ただ、実際にどうなのかは、何かのアクションを起こして結末を迎えるまでわからないもの。逆に言えば、アクションを起こさずに自分でいろいろと事情を想像してみることで、イライラしないで済むこともあるのです。

最後に、そうした想像力の働かせ方について具体的にみていきましょう。

想像力を働かせてイライラを解消する方法

レジでモタついているスタッフを見て、「時間がないのに!」とイライラ。

ほかのレジも混んでいると今さら並び直すこともできず、怒りが込みあげてきます。でも、イライラしても待ち時間が変化することはありませんし、怒鳴ったり文句を言えば周囲に迷惑をかけたり大事(おおごと)になったりして、よけい時間がかかることになりかねません。

そんなときは、レジのスタッフについての「かもしれない」を、たくさん想像してみてください。

たとえば、「初心者マークなどはついていないけれど、もしかしたら新人さんで、今日初めてレジに立つのかもしれない。手は震えていて…」と想像するのもアリです。

そうすることで、自分が仕事で新人だった頃の記憶が蘇るなどして、あたたかい気持ちを待てるのではないでしょうか。