マスクの高額転売を禁止すると起きる「困ったこと」とは?

マスク不足に乗じて高額転売で儲けようという人がいます。これを禁止すべきと考える人もいるでしょうが、久留米大学商学部の塚崎公義教授は「不愉快ではあるが、禁止すべきでない」と説きます。

温かい心と冷たい頭脳で経済は動く

マスクが売り切れて困っている人が大勢いるのに、それを利用して買い占めたマスクを高値で転売して儲けようとする人がいるようです。ひどいことをする人だ、ということで批判が集まっているようですね。心情的には全く許せないことです。筆者は高値転売などしませんし、する人を快く思いません。

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しかし、経済を考える際には、温かい心だけではなく、冷たい頭脳もフル稼働させる必要があります。じつは、ケシカランと言ってマスクの高値販売を禁止してしまうと、困ったことが起きかねないのです。

本当は、マスクを売っている店に値上げをしてほしいのですが、店としては値上げをして客の恨みを買うことは避けたいと思うでしょうから、店に値上げを期待するのは難しいでしょう。そうなると、悔しいですが、高値転売を認めざるを得ないのです。

高くても買いたいという人がいる

100人が毎日1枚ずつマスクを買うとして、店は在庫を200枚持っているとします。ある時新型肺炎が流行し、不安に思った人が10枚マスクを買うとします。20人買った所で店の在庫が底をつき、80人はマスクが買えないことになります。

たとえば人々が「1枚10円なら10枚買いたいけれど、1枚20円なら2枚買いたい」と考えているとします。そうだとすると、先に購入した人々が10円で買ったマスクを20円で高値転売して儲けようとするでしょう。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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