そうした事態を防ぐためには、転売屋がある程度の利益を稼ぐことはむしろ必要だ、ということになります。リスクに見合った利益が見込めなければ、転売屋をやる人がいなくなってしまいますから。

あとは、情報弱者をどう救うか、という点が問題です。転売屋が相互に健全な競争をしていれば、法外な値段で売ろうとしても買い手が見つからないはずです。しかし、法外な値段を付けても買いに来る「情報弱者」がいると話が違ってきます。

自分が情報弱者とならないように気をつけることはもちろんですが、法外な値段だけは禁止しても良いのかもしれませんね。

マスクの先物市場を作るという奇策も

ここからは余談です。小売店が安心してマスクを仕入れることができるためには、マスクの先物市場を作るという奇策もありでしょう。小売店はマスクを大量に仕入れる一方で先物を売り立てれば良いのです。

理論的には悪くない話だと思いますよ。まあ、そんな先物市場が実際に作られるとは思いませんが(笑)。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義