ところが、第2子が生まれてから夫の様子が少しずつ変わり始めました。子どもの誕生をあれほど喜んでいた夫が、子どもへの関心を失い、加奈子にもつらく当たるようになっていったのです。

子どもに対してジェラシーを燃やす夫

加奈子は、夫の態度が変化していることに気付いていたものの「2人の育児に精一杯で、夫のことまで構っていられない!」──そんな心境だったそうです。ところが、ある日…

「加奈子は、子どものことしか見ていない! 僕のことをないがしろにしている! もう加奈子と夫婦でいる自信がない…」

突然の夫からの告白に驚きと困惑を隠せない加奈子。夫がそこまで思い詰めていたことにも驚きましたが、夫の不愛想な態度の原因が、まさか子どもへのヤキモチだったなんて…。

その後も、事あるごとに不満をぶちまける夫。ついには「今の状況が続くようなら、“離婚”も本気で考えている」と言い出しました。そんな夫に対し、加奈子は徐々に愛情や信頼を失っていったそうです。

悩んだ末…凍結保存している受精卵を手放すことを決断

ちょうどそのころ、産婦人科から書類が届きました。保存している受精卵の凍結延長または破棄の手続きを行うための書類でした。加奈子が通っている産婦人科では、更新手続きが1年ごとに必要で、年間約2万円の費用がかかります。

これまでは、何の迷いもなく凍結延長の手続きを行い、更新料を支払ってきたそうです。ところが、今回はさまざまな思いが加奈子を悩ませました。