そう、Tさん息子は連れ去りの途中で犯人とはぐれ、迷子センターに保護されていたのです。アナウンスを聞いてホッとしたTさん。目指す迷子センターはもう目の前。その時目を疑うような光景が……。

「知らない男が息子を引き取ろうとしていたんです。息子はキョトンとしていましたが、泣くこともなく男と手をつないで移動しようとしていました。」すぐに息子の名前を呼び、駆け寄ったところ、男は急いで走り去ったそう。息子を置いて追いかけるわけにもいかず、結局連れ去り犯を捕まえることはできませんでした。

年齢も性別も関係ない、子どもから絶対に目を離すな

無事に息子と再会できたものの、巧妙な連れ去りの手口に震えが止まらなかったというTさん。「心のどこかで男の子だし、もうすぐ小学生になるから大丈夫だろうと思って油断していたのかもしれません。自分が迷子センターに行くのが数分遅れていたら、完全に連れ去られていたかと思うと、恐怖です。不特定多数の人間が集まるショッピングモールでも、性別や年齢に関係なく絶対に我が子から目を離してはいけないと身をもって分かりました。」

大人との会話が成立する年齢になると、子どもが巧妙な犯人の声がけに耳を貸してしまい抵抗せずに付いて行ってしまう事例が発生しやすくなります。子どもが大声で助けを求めない限り、第三者の視点からは本当の親子かそうでないかは判断できません。死角が多いショッピングモールでは絶対に子どもから目を離してはいけない。危険はすぐそこに潜んでいるかもしれません。

WANNAGROWライターズ