その中でメイドインジャパンを守り続けるパナソニックを応援したいのはヤマヤマです。しかし海外生産で他社製品の価格が下がる中、相対的にパナソニック製品の価格が高くなり、結果的に家電好きの筆者でも今回は候補にすら上がらない現実は注意を引きます。

企業は売上が上がらなければ何も始まりません。家電メーカーにとって売上も利益もボリュームが大きい冷蔵庫ですが、かつてのように「他社と比べて若干高い」ではなく「相当高い」パナソニックというのが実感です。

社会保障の負担感が増し、消費税も上がって消費者の懐事情が厳しい中、今やパナソニックの冷蔵庫は高嶺の花になってしまった感があります。

まとめ

「多少無理すれば買える」ならばブランド力や製品力がモノを言うかもしれませんが、「そもそも価格的に無理」では候補になりません。

実はパナソニックの家電部門の営業利益率は約3%(アプライアンス部門、2020年3月期Q2は3.3%、2019年3月期は3.1%)と高くありません。また、同社の2020年3月期(予想)は営業利益が対前年同期比▲27%減の3000億円となるなど、苦戦が予想されています。今回の冷蔵庫購入では、同社苦戦の一端が見えたように思います。

ブランド力を背景にした「他社の類似品より若干高い」という戦略は今後どうなるのでしょうか。冷蔵庫の寿命が来るのは約10年後です。次回はパナソニックが購入検討リストに入るのか、興味深く待ちたいと思います。

【参考】パナソニック株式会社決算資料(2018年度決算概要2019年度第2四半期決算概要および連結決算概要

石井 僚一