神戸物産はタピオカブーム以前から堅調な業績推移を見せていましたが、タピオカブームを背景に、2019年10月期は大幅な増収増益となりました。

また、加盟店から仕入れ値の1%をロイヤリティーとして受け取ることで、手堅く利益を上げられる体制を構築しています。

地場の八百屋や食品スーパーも業務スーパーのFC加盟店に

FCビジネスには、経営の近代化が遅れたビジネス分野の変革を促進するという側面があります。業務スーパーのFC加盟店にも、八百屋や食品スーパーなど、昔ながらの事業者が含まれています。

人口減少社会の日本では、従来型の経営で行き詰まる食品スーパー店も少なくありません。筆者宅の近所の業務スーパーも、以前は地元の食品スーパーでした。

業務スーパーの成長は、FC加盟店を通じて食品スーパー業界の近代化を進めていると考えることもできるでしょう。

おわりに

冷凍タピオカで一躍メディアへの露出が増えた業務スーパーは、食品スーパーのFC本部特化型企業として、従来の食品スーパーなどもFC加盟店としつつ、成長を続けています。

ただし業務スーパーを運営する神戸物産の株価はタピオカ銘柄として人気化した結果、2020年1月16日終値で予想PER(株価収益率)34倍と、買われ過ぎの状態にあります。

今後さらなる成長により、高い予想PERを正当化することができるのか、同社の株価及び業績の行方が注目されます。

石井 僚一