新卒という就職に有利な機会を使わず、アルバイトの道を選ぶ「高学歴フリーター」。近年は働き方の多様化が進み、「第二新卒」や「ポテンシャル採用」など就職への道も変化してきました。しかし、現在高学歴フリーターになる大卒者は年々減っているのをご存知でしょうか。
増える正規雇用、減るフリーター
文部科学省の「学校基本調査」では、大学(学部)卒業後の状況を進学者、就職者、臨床研修医、一時的な仕事に就いた者、それ以外の者に分類してその数を発表しています。
「一時的な仕事に就いた者」を、臨時的な収入を得る仕事に就いた者・雇用の期間が1年未満又は雇用の期間の長さにかかわらず短時間勤務の者(パート、アルバイトなど)、と定義していて、高学歴フリーターはこちらに該当します。
大学卒業者の人数は2010年(54万1,428人)から2019年(57万2,639人)まで微増を続けているのに対し、一時的な仕事に就いた者は1万9,332人から8,165人へと、半分以下になっています。
「それ以外の者」に含まれるのは進学準備中、就職準備中、家事手伝い、ボランティアなどです。
彼らの大部分は何らかの形で収入を得ていると考えられますので、フリーターとして捉えてよいでしょう。彼らの人数もこの10年で8万7,174人から3万8,232人と半減しています。
2010年では卒業者の5人に1人が「一時的な仕事に就いた者」もしくは「それ以外の者」でしたが、2019年ではその割合は12人に1人となっています。逆に、卒業してからまずは就職する人数は着実に増えているのがわかります。(表「大学(学部)卒業後の状況」参照)