ナルシシズムに善悪はない
精神分析医のスーザン・コロド博士は心理学専門のウェブ誌「Psychology Today」(※1)に投稿した記事の中で、実は「ナルシシズム」自体はいい意味でも悪い意味でもなく、健康的となるか、病的となるかはその度合いによるものだ、と説明しています。
数カ月前には、北アイランド、クイーンズ大学ベルファストが実施したナルシシズムの研究(※2)から、非現実的な優越感に溺れる誇大性ナルシシストはストレスが少なく、精神的にタフでうつ病になりにくいということがわかったと、既にいくつかのメディアでもとりあげられております(クイーンズ大学ベルファスト ニュースページ)。
この研究のディレクター、コスタ・パパジョージオウ博士は、ナルシシズム自体を善か悪でみるのではなく、進化によってできた産物であり、状況によって利にも害にもなり得る人間の本能を表現するものととらえるべきだと言います。
他人に対して一切思いやりが持てず、傲慢で自己中心的、他人に害を与えるようになってしまうと、「自己愛性パーソナリティ障害」という一種の人格障害かもしれません。
その反対に、メンタルヘルスの向上に役立つ「健康的ナルシシズム」という特性も存在するのです。