初詣への参拝は、今も変化することなく残る数少ない伝統行事

そのような状況において、今も変わることなく行われている“日本らしい“伝統的な年末年始の習慣の1つが、初詣ではないでしょうか。いや、実は、“変わることなく”どころか、初詣参拝者は今も増えている可能性があるのです。

警察庁が公表していた統計値「初詣参拝者数」を振り返ると、2008年には過去最高の9,818万人を記録し、翌2009年も最高となる9,939万人を記録しました。

ところが、警察庁は2010年から初詣参拝者数の公表を取り止めたため、その後の正確な推移はわかりません。2010年から減っていることは考えられるでしょうか?

初詣の参拝者数は今も増えている可能性あり

確かに、2008~2009年はリーマンショック発生による不景気を脱したいと願う人が、例年以上に多く参拝した可能性はあります。一般的に、人は困難な状況にある時、何かにすがりつきたいようです。

しかし、主要な神社や寺の参拝者数には大きな落ち込みは見られないようです(たとえば、東京の明治神宮の初詣参拝者数は2015年310万人、2016年317万人、2017年320万人、2018年316万人、2019年318万人と推移)。

また、統計公表を止めた2010年以降も復興を願わざるを得ない自然災害(東日本大震災、西日本豪雨、台風災害など)が多かったこと等から、参拝者数が減っているとは考え難い状況にあります。

少なくとも、2009年の記録から大幅減少となっている可能性は非常に低いと見ていいでしょう。