ただし、大会の格としては圧倒的な最上位であり、事実上、”箱根駅伝の勝者=真の大学王者”と見なされていると断言できます。

箱根駅伝が最上位に位置付けられている理由の1つが、その走行距離の長さと険しさです。往復で約217kmは、全日本(約107km)や出雲(約45km)を大きく上回ります。

そして、テレビ視聴者を釘付けにするクライマックスが、過酷な箱根の山登りである「第5区」でしょう。過去、第5区では途中棄権を含む数々の壮絶なドラマが繰り広げられ、“山の神”と称された山登りスペシャリストのスター選手が何人も登場してきました。

テレビ番組として、商業的な成功を導く多くの要素が含まれているのです。

学生スポーツ大会がなぜここまで人気があるのか

一方で、箱根駅伝は単なる学生スポーツ大会の1つに過ぎないのも事実です。それでも、毎年大きな注目を集めるのは、多くの日本人が、昔からマラソンなど長距離走が大好きだという点にありそうです。

しかも、自身が走るだけでなく、観ることも好きなのです。夏季五輪のマラソンは毎回高い視聴率を記録していることからも、それをうかがうことができます。

また、プロスポーツ大会ではないことが、かえって高い人気を得る要因になっているかもしれません。無名のアスリートが個々のためではなく、部員全員のために、そして、母校の名誉のために必死に走る姿が、多くの人々の共感を呼んでいるのではないでしょうか。