もちろん、義理もありました。「年賀状をもらったから出した。そうしたら、翌年も来たから、また出した」という繰り返しです。これは、職場の上司と部下の関係に多いので、部署が変わるたびに増えていきます。「30年前の上司に毎年年賀状を出し、先方からも律儀に毎年お送りいただく」といった関係が増えていくわけです。

義理を続けると相手にも迷惑

年賀状をやめるか否かの検討に際しては、当然ながらやめるメリットとデメリットを比較するわけですが、その際に結構重要だったのが「相手にも迷惑になっているのではないか」ということです。

30年前の上司の中にも、私に年賀状を出したいと考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、多くは「もらったから返事を書いている」という方でしょう。そうした方々に手間と金を毎年「強要」しているのは申し訳ありません。

もちろん、利他的な理由だけではなく、当方も義理で出している年賀状が多いので、それをやめたい、という利己的な理由も大きいわけですが、多くの場合は当方と先方の利害が一致しているはずです。

出さないデメリットが減りつつある

年賀状を出す理由として、連絡先の交換と近況報告を挙げましたが、この二つは年齢を重ねるごとに重要度が落ちていきます。筆者も年賀状相手の多くも、転勤も結婚もしなければ、転居もしないので、連絡先は変わりません。近況報告も、多くの場合は「あいかわらず元気にしています」だけです。

したがって、還暦前にやりとりしていた年賀状を保存しておけば、特に問題は生じません。