それを防ぐためにも、資産を3つの視点で考えていく必要があります。老後に向けて少しで多くの資産を積み上げる「資産形成」、なるべく資産のピークを保つ状態を維持するための「資産維持」、そして効果的な「資産取り崩し」です。

老後に向けた準備は”細く長く”継続するのがポイント

まずは、「資産形成」としての運用について見ていきましょう。

重要なのは、なるべく多くの資産を老後に向けて準備することですが、一方で教育資金や住宅資金など老後以外にも必要な支出があります。

多くの場合、まずは教育費、住宅費、最後に老後資金準備と、老後資金準備が一番後回しになりがちです。教育費の目途が立つのが、50代のケースも多く、準備する期間が短くなってしまうと手遅れ感があります。

老後資金準備は、早いうちから細く長く継続すると効果的なので、早めに考えることが重要となります。60歳になるまでに1000万円のお金を貯めるには毎月いくら必要でしょうか。仮に3%(複利)で運用できるとしたら、50歳からの10年間で1000万円貯めようとすると、毎月約7.16万円の積み立てが必要となります。

これが40歳からだと約3.05万円/月、30歳からだと約1.72万円/月となります。このように、少額でもなるべく早くからスタートし、長く継続する重要性が分かるかと思います。