日頃から手紙やハガキを出さなければ、子供が意識的に住所を覚えることはまずありません。年賀状を書くのもイラストや文章のみで、宛名は親が印刷などしていると、それなりに成長するまで自宅の住所を自分で書くことはないのかもしれません。
ネットの発達と個人情報保護で年賀状文化は消えるのか
ネットの発達や個人情報保護意識の広まりを経験してきた親世代は、年賀状文化が華やかなりし頃を知っている世代でもあります。しかし、今の子供達は年賀状の風習は知っているものの、生まれた時からメールなどのツールを使って相手に近況を伝える手段が浸透している世代です。
「わざわざ書かなくてもLINEで年賀状代わりになる」「住所を知らないから年賀状は書けない」という勢力が存在感を強めていくのは否めません。
今は年賀状のCMや発売開始、受付開始のニュースを目にすると「年の瀬がもうそこまで」と感じます。しかし、年賀状に慣れ親しんでいない層が増えていくと、それが当たり前のことではなくなるかもしれません。
この状況が変わらない限り年賀状文化が廃れていくと危機感を持ち、意識して子供と年賀状を書いていくことが風物詩の消滅を回避する唯一の手段ではないでしょうか。
中山 まち子