もちろん法人貸し出しや住宅ローンの目標もありましたが、”デキる行員”とはお客さんと仲良くなって定期預金をドンドンもらってくる行員のことでした。

当時は都銀に口座維持手数料を導入するなどという発想はありませんでしたが、若輩ながら新規口座ばっかり集めていても、いずれ不稼働口座ばっかり増えるのではという疑問を持っていたのも事実です。

なぜなら、新規口座の名義は誰でもよく、本人確認も今ほど厳格ではありませんでしたから、親戚中の名前を“借りて”口座を作るのは誰でもやっていたことです。新規口座開設件数が営業目標になっていますから、そこここに不稼働口座が増えていったわけです。

そうしたことから、今回三菱UFJ銀行が導入すべきは、手数料制度導入以降の新規口座に導入するのではなく、既存の不稼働口座や睡眠口座に課金すべきだと思います。

というのも手数料を徴求されるのが分かっていて、わざわざ口座を不稼働にする預金者がそれほど多いとは思えません。

加えて、不採算なのは昔から少額を口座に残して放ったらかしにしている(または、忘れている)預金者ですから、そこから手数料を徴求しないと意味はないと思います。