「妻は家計簿をつけていなかったので。住宅ローンの返済に遅れはないが、これからのことを考えると不安になってしまった」とSさんは話します。
一方、Sさんの妻は、「育児と家事で忙しく、負担でした。職場から保育園へお迎えに行く時、天候が悪くてタクシーを使ったり、夕食にデパ地下の惣菜(そうざい)を購入したり…。そういう細かな支出の積み重ねで、貯金ができていない状態」だったとのこと。
奥さんにとっては自分の仕事と育児・家事で厳しい毎日だったようです。ムダづかいだと責めることもできないでしょう。天候が悪い中、無理をすれば子どもが風邪を引いてしまう。毎日の送り迎えはもちろん、子どもが熱を出すと保育園から呼び出されるのも奥さん、仕事を休んで看病するのも奥さんです。
そういう育児生活を頑張りぬくには、先に役割分担を話し合う必要があります。Sさん夫婦は、まず家事を時短できる便利家電をいくつか購入。それから家計の立て直しを考えることにしました。
(3)「子ども費」優先のTさん宅
IT関連の仕事をしているMさんは「妻がしっかり家計を管理してくれる」と感謝しつつ、「おこづかいが少なくて…」と、こぼします。
奥さんが重視しているのは子ども関連費。「食費を削ってでも、子どものための出費は削りたくない」と考える女性は多いのです。しかしMさんとしては「そこまで頑張る必要があるのかな」と話します。お金の使いみちについては家庭で話し合って、互いに同意していくことが重要でしょう。
家族構成やはたらき方の変化で赤字家計になる可能性も
共働きで家計に余裕があるはずなのにさまざまな不満や悩みがある中、妻が妊娠や出産で働けなくなることで新たな家計問題も起こり得ます。収入が減っても生活レベルを下げるのは難しく、立て直しが難しいもの。やはり、どちらか一方に任せきりにすることなく、夫婦で話し合いながら家計を管理していくことが大切だといえそうです。