だれもが歳を重ねることで介護が必要になる可能性は高まるし、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居する必要が出てくることもあるであろう。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も様々な内容があるので一概には言えないが、5年間の費用合計で入居時費用と月額の費用の合計をすると1000万円から2000万円というケースも少なくない。
有料老人ホームに入居する場合には、自宅を売却してその金額を入居にあてるということも選択肢としてあろうが、そこまで柔軟に対応できないという場合には、ある程度自分でその資金を用意しておく必要がある。
「老後2000万円問題」でとりあげられるのはあくまでも老後の「生活費用」であり、介護などの状況を考慮した話にはなっていないのである。つまり、私たちはその準備を「別勘定」として準備をしておく必要がある。
老後にはいくら必要なのか
ここまで見てきたように「老後2000万円問題」として大きな話題となったが、ここまで見てきたように家賃、ライフスタイル、介護問題などを考慮していくと2000万円ではとうてい足りない。
ここまで出てきた数字を読者ご自身の希望やリスクシナリオに応じて足しあげていただければ、自分が老後の生活資金と介護費用等にいくら必要であるかを計算することが可能だ。
こうした状況に対応するためには、現役として仕事ができる時間を長くすること、退職までの資産運用を行い、老後生活資金と介護資金の準備を行うということ、また退職しても資産運用をするという心づもりをしておく必要があろう。
参考資料
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
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泉田 良輔
執筆者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役、株式会社モニクルフィナンシャル取締役も務める。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2024年8月27日