「個人で仕事をしていると、嫌な仕事や気が乗らない仕事も回ってくることがある。そういうとき、無理をして引き受けるとかえって迷惑をかけることもあるし、効率が落ちてしまう。効率が落ちることが個人事業主としては一番避けたいことだし、お互いにいい仕事ができなくてかえって評判を落とすだけになることが多い」と言います。

Cさんは、熱烈なオファーを受けた仕事でも、たとえ高い報酬の仕事でも、「気分よく仕事ができるかどうか」に軸を置いて考えているのだそう。

「どうしてもお金が心配なときとか、臨時の出費があるときにはそういう仕事を引き受けないこともないけれど、結局報酬に見合わない労力やストレスがかかってしまい、後悔することが多い。個人事業主は自分の名前で売っているから、評判が落ちるのは仕事減に直結する」と話します。

自分の名前で売る仕事だからこそ、慎重に仕事を選んでいると言うCさん。断るときには引き受ける時以上に丁寧に断るとのことで、一度断ったとしても違う案件で声をかけてもらえることが多いのだとか。そういう付き合い方をしていれば、仕事が減ることもなさそうですよね。

自分のスキルや成果物にきちんと値段をつける

個人事業主のAさんは、もう1つ大事なことを教えてくれました。それは、自分のスキルに適正な価格をつけることです。

「自分のスキルや成果物に見合わない報酬で仕事を引き受けると、その後引き上げるのが大変だから」とAさんは言います。確かに、会社でもそうですが賃金を上げるのはとても大変なこと。まして、個人事業主として働くAさんが報酬の引き上げを要求するのはひと苦労でしょう。