内閣府男女共同参画局の調査結果からは、収入の多い男性が家計を支えて、女性がダブルケアの当事者になるケースが多いことがわかります。

多忙な育児に慣れない介護が加わるために、ダブルケアの当事者には体力的精神的に大きな負担が集中してしまいがちです。一方、家計を支える側にも、「しっかりお金を稼がなくてはならない」というプレッシャーがかかってきます。

ダブルケアのつらさから逃れるために、「介護離婚」を選ぶ人も増えています。たった1人で働きながら介護を続けるのは難しいため、残された側が介護離職に追い込まれることも少なくありません。こうなると、経済的にも非常に厳しい状況に陥ってしまうでしょう。

親の介護が引き金になって家庭崩壊や介護破綻につながる可能性もあるのだ」という現実を直視する必要があるのではないでしょうか。

家庭崩壊を防ぐために

望まない家庭崩壊を防ぐポイントは、実際にダブルケアに直面する前に十分な準備をしておくことです。お金の問題は無視できないので、帰省したときなどに親の健康状態や資産の状況をチェックしておきましょう。兄弟がいるなら、親の目の前で一緒に資産の話をしておくと後々のトラブルを防ぎやすくなります。

とはいえ、「お金のことはなかなか聞きにくい」と感じる人も多いかもしれませんね。自分で聞き出すのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーや冠婚葬祭互助会などを利用して間に入ってもらうのも1つの方法です。

親が重度の認知症を発症していたり資産が少なかったりすると、施設に入れるのが難しくなることがあります。このような場合に兄弟や親戚の協力が得られると大変心強いので、日頃から良好な人間関係を作っておくことをおすすめします。

とくに、夫婦の関係は非常に重要です。コミュニケーションをこまめに取って、家族にとってベストな方法を探しましょう。

ダブルケアに備えて準備を始めよう