親の介護が必要になったときに考えなくてはならない問題は主に2つあります。「介護にかかるお金はどうするのか」、「だれが介護を担うのか」という問題です。

親に十分な老後資金があるなら、有料老人ホームなどの施設に入ってもらうのも1つの方法でしょう。自宅で介護をする場合でも、ヘルパーや家政婦を利用するなどして、子世帯の日常を大きく変えずに対処できる可能性もあります。

しかし、親に十分な資産がない場合には選べる選択肢が限られてきます。介護にかかる費用や担い手の負担がすべて子世帯にかかってくるために、それまでの生活が一変してしまう可能性も出てきます。「子どもの教育費が削られるのではないか」と不安になる人もいるでしょう。最悪の場合、子世帯の家計が破綻するおそれすらあるのです。

一方、親の資産に関係なく、「親を施設に入れたくない」「世間体があって施設に入れにくい」と感じる人もいるのではないでしょうか。「だれがどこで介護をするのか」という問題が、親戚を巻き込んだ大きなトラブルに発展することもまれではありません。

家庭崩壊に至る可能性