5. 郊外の戸建てへの住み替えのあとも車の費用は続く?世帯主が65歳以上の世帯は月2万548円(全国)
家計調査(2025年・二人以上の世帯・全国)では、世帯主の年齢別の1か月の自動車等関係費は次のとおりです。
- 【全体の平均】月2万8308円
- 【世帯主が65歳以上】月2万548円(年にすると約24万7000円)
- 【世帯主が70歳以上】月1万8232円(年にすると約21万9000円)
年齢が上がると車の費用は減りますが、70歳以上の世帯の平均でも年20万円を超えています。これは都市の規模を分けない全国の値です。
都市の規模別の表(第1-1表)で、二人以上の世帯のうち無職世帯に絞ると、小都市B・町村の車の費用は月2万2840円、大都市は月1万3329円です。働いていない世帯でも、人口の少ない地域ほど車の費用が多い傾向は変わりません。
6. 【資産運用の視点】検証:車の費用の平均は、数年ごとのまとまった支出をならした値
東京都区部から小都市B・町村の平均へ移ると、車の費用は月約2万円、交通の減少を差し引いても月約1万3000円増える試算です。家賃が月9万9618円なくなる分と比べると小さく見えますが、毎年続く支出です。
資産運用の立場から見ると、平均の数字は「毎月少しずつ出ていくお金」なのか「数年に一度まとめて出ていくお金」なのかを分けて見ることが大切です。小都市B・町村の車の費用のうち、購入の月1万3242円は、車を買った世帯と買わなかった世帯をならした値です。
実際には、車の購入は買い替えの年にまとめて出ていきます。毎月の家計に収まって見えても、買い替えの年には手元のお金が大きく減ります。維持の月2万5076円(ガソリン・整備・保険料など)は毎月の固定費、購入は数年ごとの大きな支出、と分けて準備しておくと、住み替え後のお金の流れがつかみやすくなります。
また、この値は車を持たない世帯も含めた平均です。住み替え先で車が何台必要か、年齢を重ねて運転をやめたあとに買い物や通院の足をどう確保するかも、あわせて考えておきたい点です。
住み替え先を決める前に、今の家賃と、住み替えたあとの車の維持費・固定資産税・修繕の見込みを1か月の単位で書き出してみると、「家賃がなくなる分」がどれだけ残るのかが見えてくるかもしれませんね。
7. まとめ
郊外の戸建てへの住み替えでは家賃がなくなる一方、車の費用が始まります。家計調査(2025年・二人以上の世帯)では、人口5万未満の市と町村の車の費用は月3万8426円で、東京都区部より月2万116円多く、交通の減少を差し引いても月1万3184円多くなります。
住み替え先の市町村の固定資産税は市町村(東京都23区内は東京都)の窓口で、車の保険料や維持費は保険会社や販売店の見積もりで、それぞれ確かめておくと安心です。住み替え後の支出を「毎月の支出」と「数年ごとの支出」に分けて書き出しておくと、見通しが立てやすくなります。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。家計調査の値は二人以上の世帯の平均で、車を持たない世帯を含みます。固定資産税の税率・評価額は市町村によって異なります。最新の情報は総務省・お住まいの市町村などでご確認ください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 用途分類(総数)」(e-Stat)
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2025年 用途分類(第1-1表 都市階級別・第3-2表 世帯主の年齢階級別)」(e-Stat)
- 総務省統計局「家計調査の概要」
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅の所有の関係別借家の1か月当たり家賃」(e-Stat)
- 総務省「固定資産税の概要」
- 総務省「都市計画税」
安達 さやか