3. 学費を比べるときに見落としやすい注意点は3つ
3.1 注意点1:学費とは別に会費がかかる
大学によっては、学費とは別に会費類を納める必要があります。主な例は次のとおりです。
- 明治大学法学部:諸会費が毎年1万6300円(学生健康保険互助組合費3000円+父母会費1万2000円+法学会費1300円)、4年次に校友会費(終身会費)3万円
- 日本大学法学部:後援会費が年2万円、校友会費(準会員)が年1万円、卒業予定年度に校友会費(正会員)1万円
- 中央大学法学部:父母連絡会費5000円と学友会費1万円で、年1万5000円
- 関西大学法学部:教育後援会の入会金1万円(入学時のみ)と会費が毎年7000円、校友会基本会費が入学時1万円・翌年度2万円の計3万円
- 早稲田大学:最終年度に校友会費4万円
- 近畿大学:校友会終身会費3万円(入学年次に2万円、最終学年次に1万円)
3.2 注意点2:入学手続きの時点で70万〜80万円台の支払いがある
法学部の入学手続き時の納入額(2026年度入学者・5大学)4/4
出所:各大学が公表している2026年度入学者向けの学費資料(参考資料に記載)をもとにLIMO編集部作成
多くの大学では、学費を前期・後期(春学期・秋学期)に分けて納めます。ただし入学手続きの時点では、入学金と前期分の学費、会費類などをまとめて納めなければなりません。
- 中央大学:82万3050円
- 近畿大学:80万7000円
- 明治大学:79万9300円
- 関西大学:78万2000円
- 早稲田大学:72万7850円
いずれも各大学が入学手続き時(入学時)の納入額として示している金額で、会費類なども含まれる点にご注意ください。
また中央大学は、入学金(入学申込金)は理由の如何を問わず返還しないと明記しています。併願先の合格発表日と入学手続きの締め切りは、早めに確認しておきたいところです。
3.3 注意点3:入学年度や学年によって学費が変わる
同じ大学・同じ学部でも、入学した年度や学年によって学費が変わる場合があります。
- 中央大学法学部の授業料(2026年度):2024年度入学生は年82万3400円、2026年度入学生は年85万6500円
- 明治大学:2026年度の学部入学者(農学部食料環境政策学科を除く)から、教育充実料を年額5万円増額
- 立命館大学法学部の授業料:2026年度入学者は年111万8200円、2027年度入学者は年114万7200円で、差は2万9000円
- 近畿大学法学部の授業料:1年次の110万5000円から4年次の116万5000円まで、毎年2万円ずつ増加
さらに立命館大学は、社会的な情勢の急激な変化などやむをえない状況への対処として、授業料等を変更することがあると案内しており、中央大学も、学費の取り扱いなどが在学中に変更される場合があるとしています。
入学時の金額が卒業まで続くとは限らない点にも、注意が必要です。
4. 子ども3人以上を扶養する世帯は授業料等の無償化も確認を
2025年度から、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯の学生は、所得制限なく、大学の授業料と入学金の減免を受けられるようになりました。文部科学省や日本学生支援機構の案内をもとに、主なポイントを整理します。
- 私立大学の減免の上限は、授業料が年70万円、入学金が26万円
- 減免の対象は授業料と入学金
- 所得制限はなし。資産の基準は、多子世帯で授業料等の減免を受ける場合「3億円未満」
- 対象となるのは、国の要件を満たす大学等
- 採用時には学習意欲等が確認され、採用後も出席率等の要件を満たす必要がある
- 申込みは学校を通じて日本学生支援機構へ。時期は、進学前の予約採用と進学後の在学採用の2通り
- 毎年10月に、前年12月31日時点の扶養の状況で子どもの数を確認
- 第1子が卒業などで扶養から外れ、扶養する子どもが2人になると、多子世帯としての支援は終了
上限まで減免を受けた場合、4年間で最大306万円(授業料70万円×4年+入学金26万円)になります。
一方で、今回取り上げた9大学の法学部はいずれも授業料が年70万円を超えているため、上限を超える分は自己負担です。施設設備費や会費類も、減免の対象には含まれません。
※本章は、文部科学省・日本学生支援機構の公表資料にもとづく制度の一般的な解説です。支援の対象となるかどうかや減免額は、世帯の状況や進学先によって異なります。申込みにあたっては、進学予定・在籍している大学や日本学生支援機構の最新の案内を必ずご確認ください。
5. まとめにかえて|初年度と4年間、会費まで含めて確認を
今回比べた9大学の法学部では、初年度の学費が約124万〜138万円の範囲にありました。2年目以降の学費を公表している6大学の4年間の合計は、426万〜496万円です。
初年度の安さと4年間の総額は必ずしも一致しないため、志望校を比べるときは2年目以降の金額まで確認しておくと安心です。会費類や入学手続き時の支払い、入学年度による学費の違いもあわせて把握しておきましょう。
※本記事の学費は、各大学が公表している資料をもとに2026年11月5日時点で確認したものです。学費や会費は改定される場合があります。実際の納入額は、各大学の入試要項や入学手続きの案内など、最新の公式資料でご確認ください。
参考資料
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」
- 文部科学省「(資料1)令和7年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
- 文部科学省 多子世帯への授業料等無償化に係るFAQ(PDF)
- 文部科学省 高等教育の修学支援新制度 特設サイト
- 日本学生支援機構「多子世帯支援について」
- 早稲田大学「2026年度【学部】入学者 入学金・学費・諸会費 一覧表」
- 明治大学「学費等一覧(2026年度入学者用)」
- 明治大学「2026年度入学者の学費について」
- 中央大学「学部学費一覧」
- 法政大学「2026年度学費一覧(学部学費)」
- 日本大学「2026年度入学者納入金一覧(学部・短期大学部)」
- 日本大学法学部「学費について」
- 東洋大学「納入額について(2026年度)」
- 近畿大学「学費等一覧 2026年度(令和8年度)入学生」
- 関西大学 2026年度入学生の学費(PDF)
- 立命館大学「学費・諸会費・入学手続時の納付額」(2026年度入学者)
- 立命館大学「学費・奨学金」(2027年度入学者)
池上 翠