実際、高校生である筆者の立場からすれば、親が「あなたのために」としてくれていることがそもそもプレッシャーになってしまうので、子供のことを信頼して見守ってほしいと感じることが多々あります。

また、「お父さんの小さい頃は…」「お母さんの若い頃は…」など、苦労話から説教に入るパターンだと、子供は面倒臭いと感じて「ハイハイ」と右から左に流してしまうため、効果的とは言えないと思います。

たとえば、将来の進路などについて話すときも、口うるさく説教したり監視したりするようなことはせず、ニュースやインターネットなどを子供と一緒に見ながら、次のように言ってみてはどうでしょうか。

「〇〇は、この人みたいに絵を描くのが得意だから、デザイナーになるっていうのもアリだよね」
「40歳で突然リストラはきついよね。いまの時代、会社もどうなるかわからないし、手に職というか、資格を取っておくことも必要なのかな? ○○は、どう思う?」

こうした自然な会話の流れの中でアドバイスや意見をサラリと伝えると、子供も素直に受け止めやすいでしょう。そして、子供が頼ってきたときには、しっかりと話を聞いてあげてほしいと思います。

学校へ行きたくないという子供への間違った対応

子供が学校に行けなくなるという状況には、いじめや学業不振、進路に関する悩みのほか、友人とのやり取りに気を使い過ぎて疲れてしまうなど、さまざまな原因があります。

すぐに解決しようと焦ってあれこれと聞き出そうとせず、まずは悩んでいることや気持ちの整理がつくまで「学校に行きなさい」と言わずに待つことが、事態を良い方向にもっていくカギになるケースが少なくないと思います。

学校の先生など周囲の大人は、学校や友達と過ごす時間の大切さを説き、学校へ行かないと将来の選択肢が狭くなることばかりを伝え、「だから、学校に行きなさい」という話になるのです。