今年の7月16日、政府が閣議決定した「自殺対策白書(2019年版)によると、未成年者の自殺死亡率が統計を取り始めた1978年以降、最悪の結果となったそうです。

自殺の原因で目立つものは、小・中学生では「親子関係の不和」や「家庭のしつけ・叱責」、高校生・大学生では「学業不振」や「進路」など。こうした状況は、家族や周囲のサポート次第で改善できるのではないかと感じたのが正直なところです。

そこで、現在高校生である筆者自身や筆者の周辺で実際に起きた出来事を中心に、思春期の少年少女の心を折ってしまう家族の言葉や行動、逆に弱った心をサポートするオアシス的な対応について考えてみたいと思います。

「子供のために」が子供を追い詰めることも

多くの親は「子供のために」と考え、将来、子供が困らないように助言やアドバイスをするものです。それはよくわかっているのですが、そうした行動や言葉が過ぎると、子供のヤル気を削ぎ、プレッシャーを与え、子供を追い詰めることもあるのです。

ここ数年、特に問題視されている「教育虐待」は、親が子供の教育に熱心になりすぎてしまったために、暴言や暴力で子供の精神や身体を傷つけることを言います。また、教育虐待をおこなう親自身も、自分の親から同じように教育虐待をされた経験を持つことが多いとされ、「虐待の連鎖」についても懸念されています。

しかし子供は親のものではありません。自分で考え、行動する力を持っています。また、まだまだ未熟ではあるものの、自分の力に気づいたり興味のあることを伸ばしたいという気持ちが芽生えたりする過程でもあります。