4. 銀行の本人確認、ICチップ付きの書類がないときの方法

運転免許証を返納したなどの理由で、ICチップ付きの写真付き書類を持っていない方もいるのではないでしょうか。

4.1 窓口では書類を見せたうえで転送不要郵便を受け取る

意見募集の結果では、ICチップが組み込まれた写真付き本人確認書類を持っていない方も、窓口で本人確認を受けられるよう、補完的な方法を設けたと説明しています。

具体的には、ICチップのない写真付きの書類や住民票の写しなどを見せたうえで、取引に関する書類を転送不要郵便などで自宅に送ってもらう方法です。郵便物を自宅で受け取ることまでが、本人確認の一部になります。

2026年3月公布分のQ&Aでは、ICチップのない写真付きの書類の例として、運転経歴証明書や身体障害者手帳を挙げています。

4.2 ICチップ付きの写真付き書類の例

同じQ&Aでは、ICチップが組み込まれた写真付きの本人確認書類の例として、次のものを挙げています。

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • 在留カード・特別永住者証明書
  • パスポート(旅券)

有効期限のある書類は、本人確認を受ける日に有効期限内であることも必要です。なお、2020年2月4日以降に発行されたパスポートには住所の記載がないため、住所が分かる別の書類も求められます。

4.3 家族が代理人として手続きする場合

家族が代理人として窓口で手続きをする場合は、本人と代理人の両方の本人確認書類について、ICチップの情報を読み取ることが原則になります。

5. 【元銀行員の視点】銀行の本人確認は、写真のない書類で手順が増えてきた

運転免許証を持っていない方は、健康保険証など写真のない書類を持って来店されることもありました。2016年10月からは、写真のない書類で本人確認をする場合、転送不要郵便で書類を送るなどの確認が加わりました。

その場で手続きが終わらないことに、戸惑う方も少なくなかったように思います。2027年4月からの改正は、写真付きの書類にもICチップの読み取りが加わるという、同じ流れの続きにあるといえます。

相続の手続きや退職金の受け取りなどで、新しく口座を作る予定がある方は、マイナンバーカードや運転免許証の有効期限が切れていないかを確認しておきましょう。

また、「ルールが変わって口座が使えなくなる」などと電話で連絡し、暗証番号やキャッシュカードを聞き出そうとする手口には注意してください。

6. 銀行の本人確認の変更は、新しく手続きをするときに関わる

2027年4月1日から、金融機関の窓口での本人確認はICチップの読み取りが原則になり、ネットや郵送では画像や写しを送る方法が原則として廃止されます。

一方で、すでにある口座について、本人確認を受け直す必要はありません。ICチップ付きの書類がない方にも、運転経歴証明書や住民票の写しなどと転送不要郵便を組み合わせる方法が残されています。

新しく口座を作る予定がある方は、手元の本人確認書類を確かめたうえで、必要なものを取引している金融機関に問い合わせてみてください。

※本記事は2026年11月2日時点の情報をもとにしています。具体的な手続きや必要書類は、金融機関によって異なる場合があります。

参考資料

中本 智恵