「2027年から銀行口座が使えなくなる」。そんな話を動画やSNSで見かけて、不安に感じた方もいるのではないでしょうか。

国は、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則を改正する命令を、2025年6月と2026年3月に公布しました。2027年4月1日から、金融機関で口座を作るときなどの本人確認では、マイナンバーカードや運転免許証のICチップを読み取る方法が原則になります。

本人確認のルールが変わっても、いま使っている口座がすぐに使えなくなるわけではありません。変わるのは主に、これから新しく手続きをする場面です。

この記事では、2027年4月1日から何が変わり、何が変わらないのかを、ICチップ付きの書類を持っていない場合の方法まで含めて解説します。

1. 銀行の本人確認、2027年4月1日から変わる2つの点

まずは、今回の改正で何が変わるのかを確認します。

1.1 窓口では「ICチップの読み取り」が原則に

現在、窓口で口座を作るときは、運転免許証やマイナンバーカードなど写真付きの本人確認書類を見せることで、本人確認ができる仕組みです。

2027年4月1日からは、写真付きの本人確認書類を見せるだけでなく、書類に組み込まれたICチップの情報を金融機関が読み取ることが原則になります。券面を偽造したなりすましを防ぐのがねらいです。

警察庁などが公表した意見募集の結果では、顧客が読み取りを拒んだ場合に、別の書類を見せることで代わりにする方法は認めない考え方が示されています。読み取りを拒みつつ、偽造した書類でなりすます事案が想定されるためです。

読み取りを拒む場合は、転送不要郵便を使う方法など、別の本人確認の方法で確認を受けることになります。

1.2 ネットや郵送では「画像や写しを送る方法」が原則廃止に

スマートフォンで本人確認書類と顔を撮影して送る方法や、本人確認書類の写しを郵送する方法は、偽造された書類によるなりすましのリスクが高いとして、原則として廃止されます。

改正後も、スマートフォンなどでICチップの情報を読み取って送る方法や、マイナンバーカードの電子証明書を使う方法は使えます。なお、ICチップ付きの書類やICチップを読み取れるスマートフォンを持っていない方に向けて、一定の本人確認書類の原本を送る方法は残されています。