最近では、ネット証券などコストの安い証券会社が登場したり、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などの仕組みができたりして「投資を始めてみよう」と思う人も増えてきたのではないでしょうか。

しかし投資にはリスクがあることはご存知の通り。今回は、初心者が失敗しやすい投資のNG行動を紹介します。投資を始めるときにはぜひ参考にしてみてくださいね。

コストやルールを確認せずに取引すること

投資を始めるにあたって、まず確認したいのはコストです。もちろん、投資信託や株を始める際に、どの銘柄、どの商品を選ぶかというのも大事なことです。しかし、個々の銘柄・商品を選ぶ前に「コスト」という観点での比較を行うことも重要なのです。

金融商品のコストは、正直かなりわかりづらいものです。初心者の入門商品のように言われることの多い「投資信託」でも、購入手数料や信託報酬、信託財産留保額など複数のコストが発生します。

これらのコストは負担するタイミングも違いますし、計算が複雑でコストが結局いくらかかるのか容易にわからないんですよね。コストという意味で言えば、上場投資信託「ETF」のほうが安くつく場合が多いというのも、比較してみないと知りえないことです。

しかも、投資信託の基本的なルールとして、価格(基準価額)が決まるのは1日1回です。証券会社によっては、金額を指定して予算の中で購入することはできるのですが、投資信託の時価ともいえる投資信託の基準価額は自分で選べません。

それに対して株は、場中なら基本的には常に価格が変動し、指値という方法ならば自分の好きな価格になるまで購入するのを待つことができます。

このような基本的なルールについては、なんとなく「買ってみようかな」と思っている商品と、他の金融商品を比較することが大事です。ルールを知れば「自分に合っている商品はこちらかもしれないな」というのも掴めてきます。

株価が下がり続けているのに持ち続けること

株式投資を始めたばかりの人にありがちなのが、買って保有している株の価格が下がり続けているときにずっと持ち続け、売却し損ねることです。

持っている株が下がっているときに売ると損が出るので、売りたくないと思う気持ちはとてもよくわかります。筆者もよく株を始めたばかりという人たちと話をするのですが、「株はずっと持っていればいつかは上がる。損をすることはない」と皆よく言うのです。

持ち続けている以上、買った価格より株価が下がっているので評価損は出ている状態ではあるのですが、その下がった価格で売却してしまうと戻ってくるお金が買った金額よりも少なくなり、損失が確定してしまいます。それが嫌で持ち続ける、上がるまで待つ、という人もたくさんいます。

しかし、再び株価が上昇するとも限りません。株価下落の要因によっては、もう二度と浮上しないという可能性もあります。また、上昇を待つ時間も無駄です。その株を購入するのに使ったお金も、その間ずっと利益を生み出さないお金になってしまっているのです。

「株価が上がるまで待ち続ける」という人の多くは、損失が膨らみ続けたあげくに株をやめてしまったり、株価がずっと停滞したまま売却のタイミングをなくしたりしています。損切りのタイミングは非常に難しいものですが、早めに見切りをつける勇気も必要です。

再現性のない取引手法をまねること