投資を勉強しようとインターネットで調べたり、本を買って読んだりしてみると、色々と「たった〇年で1億円!」とか「〇〇トレードで誰でも簡単に億トレになれる!」などといううたい文句が出て来ると思います。
そのうたい文句自体は非常に魅力的ですし、そのワザを生み出した本人にウソはないのでしょう。しかし、そういう人の紹介しているワザやテクニックのほとんどは再現性がなかったり、誰にでも容易にできるものではなかったりします。
非常に多くの時間と労力をかけて勉強し、銘柄の分析をし続けてきた結果、本人にはコツや感覚が掴めても論理的な言葉で表現できることは少なく、投資の世界に「絶対」はありません。また、誰にでもできるワザやテクニックなら皆がやっているはずです。
本やネットにはいかにも簡単そうに書かれているかもしれませんが、マネしてみると細かなところでうまくいかないことが多いでしょう。それは、そのテクニックを編み出すまでの経験や知見がその細かなところを埋めることで成功するものだからです。
何の経験も知識もない人がまねしたところでその細かな部分、最後のツメのところでミスをしてしまうことが多いのです。付け焼き刃で相場に臨むことほど怖いものはありません。
筆者は職業柄、トレードで本当に稼いている人たちを数多く見てきましたが、そういう人たちは本当に儲かる手法を自分の中でルール化し、いつでもそのテクニックを再現できるように日々研究しているものです。そして、その内容を決してほかの人に話したりしません。
あらかじめルールを決めずに投資に取り組むこと
プロがよく言うのは、「トレードが上手な人はマイルールをきっちり守る」ということです。あらかじめ自分の中のルールを定めて、その中でトレードを行うのです。
それは、「前日比〇%下落したら損切りする」といった具体的なトレードに関するものもあれば、「〇万円以内で投資する」「2つ以上の地域と3つ以上の商品に分散投資する」といった資金管理やポートフォリオに関するルールもあります。
特に損切りのルールだけはしっかり決めておいたほうがいいでしょう。いざ株価が下がっているのを見ると、「もうちょっと時間が経てばまた上昇するのでは?」と期待してしまい、手が出なくなってしまいます。あらかじめ損切り注文を出しておいて、損切りのときには自分の手で注文しなくていいようにしておくのもいいですね。
筆者の知人で、さまざまな外資系証券を渡り歩いてきた男性は「新規で注文を出すときには絶対に損切り注文を一緒に出しておく」と言っていました。また、「ポートフォリオには絶対に金を入れるし、S&P500のインデックスも入れておく」というルールもあるようでした。自分なりのルールを持って取り組むことはプロでも守っている投資の掟なのです。
まとめ
こうして見てくると、投資ってやっぱり難しいと思うかもしれません。しかし、難しいだけではありません。それなりの面白さもあります。ハマりすぎるのも危ないですが、資産形成のために色々なことを勉強し、自分の中にさまざまな選択肢を持っておくことも大事ですよね。ぜひ勉強してみてくださいね。
大塚 ちえ