4. 【実態調査】墓じまいを検討した理由や新しい供養先の傾向は?
公的データで改葬の全体像が見える一方で、「なぜ墓じまいを検討したのか」「どこへ遺骨を移しているのか」という具体的な実情も気になるポイントです。ここでは、前述の鎌倉新書の調査から読み取れる傾向を紹介します(同社サイト経由で資料請求や霊園見学をした人が対象)。
墓じまいを検討した理由では「お墓が遠方にある」(52.0%)が最多で、次いで「お墓の継承者がいない」(44.1%)が続きました。物理的な距離や将来の管理者の不在が、検討理由の上位に挙がっています。
改葬先は「永代供養(合祀・合葬墓)」が43.2%で最多でした。樹木葬(24.1%)、納骨堂(13.3%)を合わせると約8割に達します。継承者がいないことが理由の上位に挙がっており、後を継ぐ人に負担をかけたくない事情がうかがえます。
5. 新しい供養のかたちは?
改葬後の受け皿として、従来の代々墓だけでなく、納骨堂や樹木葬、合葬墓など多様な施設が選択されています。
厚生労働省の「衛生行政報告例(令和7年度)」によると、全国の納骨堂数は1万3956施設、墓地数は87万3244区域となっています。経営主体別に見ると、納骨堂1万3956施設のうち宗教法人が1万358施設と大部分を占めています。
時代の変化に伴い、後継者が不要な永代供養付きの納骨堂や自然環境に配慮した供養形態の整備が各地で進んでいます。
6. まとめにかえて|家族で話し合うきっかけに
改葬は単にお墓を撤去する作業ではなく、ご先祖様の供養を将来にわたってどのように維持するかを考える大切な節目です。後継者の有無や生活拠点の変化に応じて、家族全員が納得できる形を模索することが欠かせません。
手続きで不明な点や困りごとが生じた場合は、現在のお墓がある市区町村の担当窓口や墓地管理者へ早めに相談することをおすすめします。