1日10時間も歩いていた!?昔の日本人から学ぶ疲れないカラダの使い方

今年ドラマにもなり話題となった、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』。登場人物の弥次郎兵衛と喜多八は、日本橋〜四日市の約390km道のりを12日で歩きました。時速4kmで歩いたとすれば、長い日で1日約10時間も歩き続けたことに!

聞いただけで疲れてしまいそうですが、大正15年創業の治療院の4代目であり、発売からわずか半月で重版になった『調子いい!がずっとつづくカラダの使い方』の著者である仲野孝明先生によれば、その秘訣は「カラダの使い方」にあったと言います。

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自分のカラダ、正しく使えていますか?

弥次さん喜多さんが歩いた日本橋〜四日市は約390km。本来の東海道である日本橋〜三条大橋は約492kmです。弥次喜多も健脚ですが、江戸時代の飛脚は東海道を3日で走り抜けたそう。当時の道はいまよりもずっと整備されていませんでしたから、昔の人びとの体力はなかなかすごいものですよね。

でも、もし私が東海道を踏破するなら、おそらく1週間あれば行けます。箱根まではランニングとウォーキングで1日。私だからできる、というわけではありません。とくに運動をしてこなかった人も、体力に自信のない人も、「あること」に気をつけることで無理なく踏破できるようになります。42.195kmのフルマラソンだって、3ヶ月練習すれば完走できるようになるんです。

「あること」とは、自分のカラダを正しく使うこと。「そんなのできてるし!」と思われるかもしれませんが、治療院『仲野整體(せいたい)』の4代目として18万人以上の治療をさせていただいた経験から断言すると、立つ・座る・歩くという基本動作を正しくできている方はほとんどいないのが現状です。もしあなたが疲れやすかったり、いつもなんとなく調子が悪かったりするなら、それは知らず知らずのうちにカラダに負担をかけてしまった結果かもしれません。

では、自分のカラダを正しく使うとはどういうことなのか。歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』にヒントが隠れているので、絵を見ながら解説していきます。

昔の日本人は、カラダを自然に正しく使えていた

『東海道五十三次』に描かれている時代の日本人と私たち現代人とのいちばんの違いは、背骨〜骨盤の位置と股関節の使い方だと思います。通常、人間の背骨は立つと緩やかにS字カーブを描きますが、間違った姿勢を続けたせいでカーブが崩れている人が現代にはたくさんいます。また、骨盤と脚をつなぐ股関節は、立つ・座る・歩くなどの動作をするのに欠かせない部位。ところが、現代人は股関節をうまく動かせておらず、可動域が狭くなってしまっています。

着物に帯を締めていた昔の人は、常に背筋がすっと伸び、お腹まわりに程よい力が入ったままさまざまな動作を行なっていました。ものを持ち上げるときや屈むときも背中から曲げるのではなく、股関節から曲げることが自然とできていました。

重いものを持つ際は、この絵の男性のように、胸と背中の高い位置で前後に荷物を抱えるような格好。バッグはカラダから離れるほど疲れやすく、また左右のバランスが崩れてもいけないので、理にかなった持ち方といえます。

猫背も現代人に多い姿勢。背中が丸まって肩が前に入ってしまい、カラダの重心が中心からずれている状態です。猫背のまま椅子に座ると、坐骨が倒れて腰への負担が増えてしまいます。

試しに正座をしてみてください。坐骨が自然に立ち、背筋がすっと伸びませんか? この感覚を意識しながら生活をすると、正しい姿勢をキープできます。

また、絵の中の人びとの足もとに注目すると、みなさん「わらじ」を履いていますね。実はこれも疲れにくいポイント。人間の足は本来、裸足で歩くのに適したつくりになっています。わらじであれば、足の指1本1本を自由に動かしながら地面の上を踏ん張ることで、裸足に近い感覚で正しく歩いたり走ったりできるのです。私は趣味のトレイルランの練習で、わらじのような形をした自作のサンダルを使っていますが、自然と正しい走り方ができて捻挫もしにくいので重宝しています。

もちろん、土とアスファルトでは事情が変わります。現代なら足先の幅が広いフラットなスニーカーや、つま先が出るサンダル(かかとをホールドするタイプならなおよし)がおすすめ。足の指をしっかり動かせば、疲れにくくなることはもちろん、絵に描かれた人びとのような筋肉のある引き締まった脚を目指すこともできます。

間違ったカラダの使い方をすると、なぜ不調になるの?

参考記事

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