3. 2025年1月から2026年9月までの値動きは、銀とプラチナが金より大きい
田中貴金属工業の月次の価格推移で、参考小売価格(税抜)の月平均を2025年1月から2026年9月まで比べます。
3.1 月平均で比べると、2025年1月から2026年9月に金は約1.6倍、プラチナは約1.9倍、銀は約2.2倍
2025年1月から2026年9月にかけて、金の月平均は1グラム1万3676円から2万1953円へ約60.5%上がりました。同じ期間にプラチナは4833円から9168円へ約89.7%、銀は156.25円から337.08円へ約115.7%上がっています。
上昇の割合は、銀が最も大きく、プラチナ、金の順でした。
3.2 2026年の月平均の高値から9月にかけて、金は12.7%、プラチナは27.3%、銀は30.7%下がった
2026年に入ると、プラチナと銀は1月、金は2月に月平均の高値をつけました。プラチナは1月の1万2615円から9月の9168円へ約27.3%、銀は1月の486.40円から9月の337.08円へ約30.7%下がっています。金は2月の2万5137円から9月の2万1953円へ約12.7%の下落でした。
同じ1月から9月で比べると、金は2万4292円から2万1953円へ約9.6%の下落で、1割弱にとどまっています。上がるときも下がるときも、プラチナと銀の値動きは金より大きくなっていました。
4. 100万円分を買うと金は約43グラム、プラチナは約105グラム。プラチナ地金は別途手数料の割合が大きい
1グラムあたりの価格が違うと、同じ金額で持てる重さや、地金の別途手数料の重さも変わります。10月14日14時の店頭小売価格で計算します。
4.1 計算例:100万円で買える重さは、金が約42.6グラム、プラチナが約104.9グラム
100万円を店頭小売価格で割ると、金は約42.6グラム、プラチナは約104.9グラムになります。銀は約2888グラムで、3キログラム近い重さです。ただし、田中貴金属工業では銀の現物は販売していません。
これは別途手数料を含まない計算です。実際には、地金は決まった重さで販売されています。
4.2 プラチナ地金100グラムの別途手数料1万6500円は、地金代金の約1.7%
田中貴金属工業では、500グラム未満の地金を買うときに、地金代金とは別に1本ごとの手数料がかかります。100グラムの地金は金もプラチナも1万6500円、10グラムの地金はどちらも8800円です。
手数料の額は同じでも、プラチナは1グラムあたりの価格が低いため、地金代金に対する割合は大きくなります。10月14日の店頭小売価格で計算すると、100グラムの地金代金は金が234万6900円、プラチナが95万3400円で、手数料の割合は金が約0.7%、プラチナが約1.7%です。10グラムでは金が約3.7%、プラチナが約9.2%になります。
5. プラチナや銀を持つなら、金とは別に値動きの幅を見込んでおく
「金は高くなったから、代わりにプラチナを」というお話をうかがうことがあります。金と比べて持つときに確かめておきたいことを2つ挙げます。
5.1 利息や配当を生まない点は、金もプラチナも銀も同じ
プラチナや銀も、金と同じく持っている間に利息や配当は入りません。LIMOの記事「【純金積立シミュレーション】10年続けていたら資産3.5倍に…「月1万円×10年間」でどのくらい増えた?《2016年~2026年》」でも、純金積立の注意点として次のように触れています。
利息・配当はない:あくまで「売却時の差益」を狙う投資です。
出所:【純金積立シミュレーション】10年続けていたら資産3.5倍に…「月1万円×10年間」でどのくらい増えた?《2016年~2026年》
売ったときの差益だけが利益になるので、値動きの大きいプラチナや銀は、売る時期によって結果が大きく変わります。2026年の高値から9月までに3割前後下がったように、短い期間で大きく下がることもあります。
5.2 金・プラチナ・銀を合わせて、資産全体に占める割合を決めておく
貴金属を複数持つときは、それぞれの金額を合わせて、預金や投資信託を含めた資産全体のどれくらいになっているかを書き出しておきましょう。値動きの大きいものほど、割合を決めておくと、価格が大きく動いたときにも落ち着いて判断しやすくなります。
6. まとめ
田中貴金属工業が2026年10月14日14時に公表した店頭小売価格は、1グラムあたり金が2万3469円、プラチナが9534円、銀が346.28円で、金はプラチナの約2.5倍でした。年平均では、プラチナが金を上回ったのは2014年が最後です。
2025年1月から2026年9月の月平均では、金の約1.6倍に対し、プラチナは約1.9倍、銀は約2.2倍に上がり、2026年の高値からの下落もプラチナと銀が大きくなっています。プラチナや銀を持つときは、金より大きい値動きと売買の価格差を見込んでおきましょう。
参考資料
- 田中貴金属工業「貴金属価格情報」
- 田中貴金属工業「年次金価格推移」
- 田中貴金属工業「年次プラチナ価格推移」
- 田中貴金属工業「月次金価格推移」
- 田中貴金属工業「月次プラチナ価格推移」
- 田中貴金属工業「月次銀価格推移」
- 田中貴金属工業「売買価格と別途手数料」
中本 智恵