3. 新NISAのつみたて投資枠で定期売却サービスを使う前に確かめたい3つのこと

定期売却サービスは、保有する投資信託を、決めた時期に決めた方法で少しずつ売却する仕組みです。つみたて投資枠で使う前に、次の3つを確かめておきます。

3.1 手数料がかかるか、いくらかは金融機関の約款で決まる

告示が認めたのは、定期売却の契約の約款で定められた、実費を勘案した適正な額の手数料です。手数料を取るかどうか、いくらにするかは金融機関が決めます。定期売却サービス以外で売るときの手数料は、これまでどおり認められていません。

3.2 売却した分の非課税保有限度額は、翌年以降に簿価で戻る

非課税保有限度額は、買ったときの金額(簿価)で管理されています。定期売却で売った分も、その簿価の分だけ翌年以降に枠が戻ります。値上がりした商品を売っても、戻るのは売却額ではなく簿価の分です。

3.3 売却益は非課税で受け取れるが、損失は損益通算できない

NISA口座で売った投資信託の売却益には税金がかかりません。一方、値下がりして売った場合の損失は、特定口座や一般口座の利益と相殺する損益通算や、翌年以降に繰り越す繰越控除ができません。相場が下がっている時期にも売却が続く点は、定期売却の設定前に理解しておきたいところです。

4. つみたて投資枠の投資信託選びで避けたい5つのこと

公社債を組み入れた投資信託やバランス型の投資信託を含め、つみたて投資枠で投資信託を選ぶときに避けたいことを5つにまとめました。

4.1 信託報酬を見比べずに選ぶ

2026年10月8日時点の対象商品の信託報酬率の平均は、投資先が国内の指定インデックス投資信託で0.27%、内外・海外で0.34%でした。指定インデックス投資信託以外の投資信託を選ぶときも、同じような資産配分の商品と並べて率を確かめます。

4.2 何に投資しているかを確かめずに「人気だから」で選ぶ

同じバランス型でも、株式と公社債の割合は商品によって大きく違います。目論見書や月次レポートで、資産の配分と投資している地域を確かめます。

4.3 ひとつの国や資産に集中しすぎる

公社債を中心にした商品でも、投資先が海外なら為替の影響を受けます。株式と公社債、国内と海外の割合を、手持ちの商品と合わせて見ておきます。

4.4 短期の値動きを見て売買を繰り返す

売却して空いた非課税保有限度額は翌年以降でないと使えません。値動きに合わせて入れ替えると、その年の投資枠を早く使い切ってしまいます。

4.5 中身の似た投資信託をいくつも重ねて持つ

バランス型を複数持つと、同じ指数に連動する部分が重なっていることがあります。組入れの内訳を並べると重なりが分かります。

5. まとめ

2026年4月1日の告示改正で、新NISAのつみたて投資枠では、定期売却サービスに限って売却時の手数料が認められました。指定インデックス投資信託以外の投資信託は、主な投資対象が株式だけでなく公社債でも対象になれるようになっています。

2026年10月8日時点の一覧では、指定インデックス投資信託以外の投資信託は77本で、公社債だけの区分の商品はありませんでした。定期売却サービスを使うかどうかは、金融機関の手数料と、翌年以降に簿価で戻る非課税保有限度額の仕組みを確かめたうえで考えてみてください。

※本記事は制度の内容と公表資料を紹介するもので、投資の勧誘や特定の商品の推奨を目的としたものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

参考資料