4. 【国民健康保険】保険料は住んでいる地域で違う。都道府県別では東京都の13万1150円が最も高い
国保の保険料は、全国一律ではありません。厚生労働省によると、具体的な算定方法は市町村の条例などで定められていて、住んでいる地域によって保険料が変わります。
4.1 1人当たり平均保険料は、東京都が13万1150円、沖縄県が7万4929円
都道府県別に1人当たりの平均保険料をみると、東京都が13万1150円で最も高く、神奈川県の12万3462円、愛知県の11万4686円が続きます。最も低いのは沖縄県の7万4929円でした。
4.2 所得の水準や医療費によって保険料は変わる
保険料には所得に応じて計算される部分があるため、所得の水準が高い地域ほど平均保険料も高くなる傾向があります。1人当たり平均所得は、東京都が140万3383円で、全国平均の97万7164円を上回っています。
所得に対する保険料の割合でみると、大阪府が13.2%、佐賀県が13.0%と高く、東京都は9.3%、沖縄県は8.9%でした。地域の医療費の水準や加入者の年齢構成なども保険料に影響するため、保険料の高い・低いだけで地域を比べることはできません。
5. 【国民健康保険】保険料は前年の所得で決まる。退職した翌年は要注意
国保の保険料のうち、所得に応じて計算される部分は、前年の所得をもとに決まります。このため、退職して収入が減っても、退職した年の翌年度までは、会社員時代の高い所得をもとにした保険料になることがあります。
5.1 倒産・解雇などで離職した場合は軽減がある
倒産・解雇などで離職した雇用保険の特定受給資格者や、雇い止めなどで離職した特定理由離職者は、国保の保険料の計算で、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減措置があります。軽減の期間は、離職の翌日から翌年度末までです。対象になるかどうかは、お住まいの市町村の国保の窓口で確認しましょう。
5.2 子育て世帯や出産する人への軽減・免除も
2022年4月からは、未就学児の均等割保険料の5割が公費で軽減されています。2024年1月からは、出産する被保険者について、産前産後期間に相当する4か月分の均等割保険料と所得割保険料が免除されるようになりました。
国民健康保険料(税)の主な軽減・免除です。5/5
出所:厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」、厚生労働省「令和5年度予算案(保険局関係)の主な事項」、厚生労働省「倒産などで職を失った失業者に対する国民健康保険料(税)の軽減措置」をもとにLIMO編集部作成
6. 【FPの視点】退職前に、翌年の保険料を見積もっておく
国保の保険料は、住んでいる地域や前年の所得、世帯の人数によって大きく変わります。退職や独立を考えているときは、早めに保険料を確認しておくと安心です。
6.1 お住まいの市町村で保険料を試算する
保険料の計算方法は市町村ごとに定められているため、正確な金額はお住まいの市町村の国保の窓口などで確認できます。退職した翌年は前年の所得をもとに保険料が決まるため、退職前から保険料の分を家計に見込んでおきましょう。
6.2 納付が難しいときは早めに相談を
災害など特別な事情で保険料を納めることが難しい場合は、保険料の減免や納付猶予を受けられる場合があります。滞納になる前に、市町村の国保の窓口に相談しましょう。
7. まとめにかえて
厚生労働省の「国民健康保険実態調査(令和6年度)」によると、国保の被保険者は2525万1489人で、65〜74歳が39.9%を占めます。市町村国保の世帯主の職業は、無職が44.9%、被用者が31.4%でした。1人当たりの平均保険料は10万1117円で、都道府県によって差があります。
国保の保険料は前年の所得をもとに決まるため、退職した翌年は負担が重く感じやすくなります。一方で、低所得の世帯への軽減や、離職した人、子育て世帯、出産する人向けの軽減・免除もあります。
保険料の計算方法や軽減・免除の内容は、市町村によって異なり、制度の見直しで変わることもあります。最新の内容は、お住まいの市町村の国保の窓口や厚生労働省の情報で確認してください。
参考資料
- 厚生労働省「国民健康保険実態調査」
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 厚生労働省「令和5年度予算案(保険局関係)の主な事項」
- 厚生労働省「倒産などで職を失った失業者に対する国民健康保険料(税)の軽減措置」
村岸 理美