会社を退職したあとや、自営業・フリーランスとして働く場合に加入するのが国民健康保険(国保)です。会社員のときは給与から天引きされていた保険料を、自分で納めることになり、「思ったより高い」と感じる方もいるのではないでしょうか。

筆者はFP(ファイナンシャルプランナー)として家計相談に携わってきましたが、「退職した翌年に国保の保険料が高くて驚いた」という声をよく耳にします。厚生労働省の「国民健康保険実態調査(令和6年度)」によると、市町村国保の1人当たりの平均保険料は10万1117円でした。

この記事では、国保に加入している人の年齢層や世帯主の職業、保険料の平均と都道府県ごとの違いを確認します。記事後半では、保険料が前年の所得で決まる仕組みや、退職後に知っておきたい軽減・免除の制度も整理します。

1. 【国民健康保険】加入者の約4割が65〜74歳。65〜74歳の65.2%が国保に加入

まずは、国民健康保険にどのくらいの人が加入していて、どの年齢層が多いのかを見てみましょう。

1.1 市町村国保の被保険者は2271万1820人

厚生労働省の「国民健康保険実態調査(令和6年度)」によると、2024年9月末時点の国保の被保険者は、市町村国保が2271万1820人、国保組合が253万9669人で、合わせて2525万1489人でした。0〜74歳の人口に対する国保の加入率は24.5%です。

1.2 65〜74歳が39.9%を占める

被保険者を年齢階級別にみると、65〜74歳が39.9%で最も多く、40〜64歳が34.1%、20〜39歳が16.1%、0〜19歳が9.9%でした。65〜74歳の人口のうち国保に加入している人の割合は65.2%で、退職後の世代の多くが国保に加入していることが分かります。市町村国保の被保険者の平均年齢は53.8歳でした。

国民健康保険の被保険者の年齢構成と国保加入率です(市町村国保と国保組合の合計)。1/5

国民健康保険の被保険者の年齢構成と国保加入率

出所:厚生労働省「国民健康保険実態調査(令和6年度)」をもとにLIMO編集部作成

2. 【国民健康保険】世帯主の職業は「無職」が44.9%、「被用者」が31.4%

国保というと自営業者の保険というイメージがあるかもしれませんが、実際の加入者の姿はどうなっているのでしょうか。

2.1 自営業は合わせて約2割

市町村国保の世帯を世帯主の職業別にみると、最も多いのは「無職」の44.9%でした。次いで「被用者」が31.4%、「その他の自営業」が17.8%、「農林水産業」が2.1%です。

2.2 70〜74歳の世帯主は64.8%が無職

世帯主の年齢別にみると、70〜74歳では64.8%、65〜69歳では52.9%が無職でした。一方、25〜29歳では被用者が57.1%を占めます。退職後の世代と、勤め先の健康保険に加入していない働く世代の両方が、国保に加入していることがうかがえます。

世帯主の職業別にみた市町村国保の世帯数の構成割合です。2/5

世帯主の職業別にみた国民健康保険の世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「国民健康保険実態調査(令和6年度)」をもとにLIMO編集部作成

3. 【国民健康保険】1人当たりの平均保険料は10万1117円、1世帯当たりは14万5974円

では、国保の保険料は平均でどのくらいなのでしょうか。

3.1 所得に対する保険料の割合は10.3%

市町村国保の平均保険料(税)調定額(医療給付費分と後期高齢者支援金分の合計)は、1世帯当たり14万5974円、1人当たり10万1117円でした。前年(2023年)の1人当たり平均所得97万7164円に対する保険料の割合は10.3%です。

3.2 6割以上の世帯が保険料の軽減を受けている

所得が一定以下の世帯は、保険料のうち均等割・平等割が7割・5割・2割減額されます。軽減を受けている世帯は、全世帯の62.4%でした。軽減世帯の平均保険料は、1世帯当たり5万4004円、1人当たり3万8093円です。

市町村国保の平均保険料(税)調定額です。3/5

国民健康保険の平均保険料(税)調定額

出所:厚生労働省「国民健康保険実態調査(令和6年度)」をもとにLIMO編集部作成

なお、ここでの保険料には、40〜64歳の方が納める介護分は含まれていません。