10月から勤め先の健康保険に入り、給与から健康保険料が引かれ始めた。それなのに、区役所からは国民健康保険料の納付書が届き続けている。そんな状況に戸惑う人が、この秋は増えるかもしれません。
10月は、パート・アルバイトの社会保険と最低賃金が同時に動く月です。社会保険に加入する要件のうち「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件が2026年10月に撤廃され、厚生労働省が9月3日に取りまとめた令和8年度の最低賃金も、10月1日から12月2日にかけて順次発効します。
改定後の最低賃金は全国加重平均で1177円、最も低い県でも1085円です。厚生労働省は、全ての都道府県で最低賃金が時給1016円を超えたことで、週20時間以上働く人は自動的に社会保険の加入対象になると説明しています。
社会保険に入るかどうかは、年収ではなく、週に20時間以上働くかどうかで決まるようになりました。
ところが、勤め先の健康保険に入っても、国民健康保険は自動ではやめられません。健康保険組合などから区役所に連絡は行かないため、自分で届け出る必要があります。
では、届け出ないままだとどうなり、国保料は何月分までかかるのでしょうか。この記事では、加入した日ごとに国保料がかかる月を早見表で確かめ、加入前と加入後で毎月の負担がどう変わるかを新宿区の保険料で試算します。
1. そもそも職場の健康保険に入ると国保はどうなる?「自動ではやめられない」理由
国民健康保険は、職場の健康保険などに加入していない人が入る医療保険です。そのため、勤め先の健康保険に加入すると、国保の資格はなくなります。
ただし、資格がなくなっても、手続きまで自動で済むわけではありません。目黒区は、会社の保険に加入しても区役所ではその事実が分からないため、国民健康保険をやめる手続きが必要だと案内しています。
港区も、届出をしないと二重加入の状態になってしまうとしています。
届出の期限は、職場の健康保険に加入してから14日以内です。新宿区では、届出の義務は世帯主にあり、同じ世帯の人も届け出ることができます。
新宿区の場合、手続きに必要なのは、職場の健康保険の保険者名・資格取得日・記号番号がすべて書かれた書類と、持っている人は国保の資格確認書です。窓口のほか、電子申請や郵送でも手続きできます。
必要な書類や方法は自治体によって違うため、住んでいる区市町村の案内を確かめてください。
2. 国保料は何月分までかかる?職場の健康保険に入った日で決まる早見表
国保料がいつまでかかるかは、職場の健康保険に入った日で決まります。届出をした日ではない点に注意が必要です。
10月中に職場の健康保険に入れば、1日でも31日でも国保料は9月分まで1/2
出所:江東区「国民健康保険料が変更になるとき」、目黒区「国民健康保険のよくある問い合わせ(加入・脱退・保険料等)」をもとにLIMO編集部作成
国保料は日割りではなく月単位で計算され、職場の健康保険に加入した日の前月分までかかります。たとえば、10月中に職場の健康保険に加入した場合、国保料は9月分までです。
目黒区によると、9月中に国保を脱退した場合、国保料は4月から8月までの5か月分となります。10月に加入した場合も同じように、国保料がかかるのは4月から9月までの6か月分です。
月末の10月31日に加入した場合も、国保料は9月分までで、10月分はかかりません。10月分の保険料は、加入した職場の健康保険で納めることになるため、同じ月に国保料と健康保険料を二重に払うことはありません。
国保の脱退手続きが遅れた場合にも注意しましょう。国保の資格を失ったあとに、誤って国保の資格確認書などを使って受診すると、国保が負担した医療費の返還を求められることがあります。
また、目黒区は、脱退手続きが大幅に遅れると、納めすぎた保険料を還付できなくなる場合があると案内しています。職場の健康保険に加入したら、忘れずに国保の脱退手続きを済ませましょう。
