4. 【現役FPが解説】収入に合わせた無理のない《家計管理・資産形成》2つのステップ
買物の重視点がその時々で変わりやすく、生活費の負担も大きい現状において、どのように家計を管理し、資産を築いていけばよいのでしょうか。手取り収入に合わせた無理のない資産形成のための2つの実用的なステップを現役FPが紹介します。
4.1 ステップ1:「先取り貯蓄」で確実に手元に残す仕組みを作る
お金が「手元に残ったら貯めよう」と思っていても、日々の生活費が膨らみがちな現状ではなかなかうまくいきません。そこでおすすめなのが、お給料が入ったタイミングで一定額を自動的に別の口座に移してしまう「先取り貯蓄(あらかじめ貯蓄分をよけておく方法)」です。
手取り収入の1割から2割を目安に、まずは少額からでも「使ってしまう前に貯める」仕組みを作ることが最優先です。
4.2 ステップ2:預貯金とつみたて投資のバランスをとる
J-FLECの調査データにもあったように、金融資産には預貯金だけでなく、株式や投資信託が含まれています。まずは生活防衛資金(病気や失業などの緊急時に備えるための手元資金)として、毎月の生活費の3か月から半年分を「預貯金」でしっかり確保します。
そのうえで、余裕資金の一部をNISA(少額投資非課税制度)などを活用して「投資信託」での積み立てに回すことで、インフレ(物価上昇)に負けない長期的な資産形成が期待できます。
5. まとめにかえて
今回は、博報堂とBrazeの「カウテックプロジェクト」による最新の購買意識調査と、厚生労働省やJ-FLECの最新データをもとに、日々の買物と家計管理の関係について解説しました。私たちが買物で重視するポイントはその時々で入れ替わるという自然な傾向がある一方で、生活が苦しい世帯は半数を超え、収入によって貯蓄額にも明確な差があることがわかりました。
将来に向けて安定した家計を築いている方ほど、ご自身の価値観に合わせて「お金をかけるところ」と「抑えるところ」の優先順位を明確にしていると感じます。日々の気分が変わることは前提として受け入れつつ、ご自身の収入や世帯環境に合った、無理のない家計管理の仕組みづくりから始めてみてはいかがでしょうか。
平均金融資産保有額などを一緒に確認してきましたが、世帯人数や収入によって必要な生活費も貯蓄のペースもまったく異なります。人と比べて不安に感じる必要はありません。
まずは少額からでも「先取り貯蓄」を習慣化し、生活防衛資金を確保しながら、残ったお金でご自身の気持ちの変化に寄り添いお買物を楽しむ心の余裕を持つことが、長く家計管理を続ける秘訣です。
参考資料
- 株式会社博報堂・Braze株式会社「カウテックプロジェクト・購買意識変動にする追跡調査」
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
村岸 理美
