4. 退職した日で、住民税の残りの納め方が変わる
在職中の住民税は、6月から翌年5月までの12回に分けて給与から差し引かれます。退職すると差し引けなくなった分が残るため、その納め方が退職した日で分かれます。
4.1 1月1日から4月30日までの退職は、残りをまとめて差し引く
大阪市の案内によると、1月1日から4月30日までに退職した場合は、本人からの申し出にかかわらず、残りの税額を給与や退職手当等からまとめて徴収します。
ただし、5月31日までに支払われる給与や退職手当等の合計額より残りの税額が多いときは、普通徴収に切り替わります。
4.2 6月1日から12月31日までの退職は、申し出があればまとめて差し引く
6月1日から12月31日までの退職では、本人から申し出があれば、残りの税額を給与などからまとめて徴収します。申し出がなければ普通徴収に切り替わり、届いた納税通知書で自分で納めます。
4.3 たとえば年税額12万円の人が3月末に退職した場合
たとえば年税額が12万円で、毎月1万円ずつ差し引かれていた人が3月末に退職すると、4月分と5月分の2万円が、退職時の給与や退職手当等からまとめて差し引かれる計算です。
そのうえで、6月からは退職した年の給与にかかる令和8年度分の住民税をあらためて納めることになります。
5. 非課税世帯になるには、同じ世帯の全員が非課税であることが条件
本人が非課税になっても、世帯として非課税になるとは限りません。
5.1 配偶者や同居する子に住民税がかかれば、非課税世帯にはあたらない
住民税非課税世帯は、世帯全員が非課税であることが条件です。本人の所得が限度額以下になっても、同じ世帯の配偶者や子に住民税がかかっていれば、住民税非課税世帯にはあたりません。
夫婦がそろって退職した場合も、それぞれの退職の時期によって、年金だけで判定される年度がずれることがあります。
5.2 判定の結果は、6月ごろの通知で確かめられる
住民税の税額は、毎年6月ごろに届く納税通知書や、年金からの特別徴収の通知で分かります。非課税になった年度は、市区町村の窓口で非課税証明書を取ることもできます。
6. まとめ
この記事では、退職してから年金だけで住民税非課税かどうかが判定されるまでの流れを解説しました。65歳で2026年3月末に退職した場合、令和8年度分は在職中の給与、令和9年度分は給与と年金を合わせて判定され、年金だけで判定されるのは2028年6月からの令和10年度分です。
非課税になる目安は、名古屋市の基準で65歳以上の単身なら年金収入155万円、配偶者を扶養する夫婦なら211万円です。限度額は住んでいる地域や年度で変わることがあります。
退職を控えている人や退職したばかりの人は、どの年度の住民税がどの年の収入で決まるのかを書き出しておきましょう。自分の場合の判定や税額は、住んでいる市区町村の住民税の担当窓口で確かめてみてください。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 総務省「個人住民税」
- 名古屋市「市民税・県民税・森林環境税が課税されない方(非課税)」
- 横浜市「退職後の住民税は…」
- 大阪市「退職・転勤などがあった場合(給与所得者異動届出書の提出)」
- 広島市「令和8年度からの個人市民税・県民税の主な税制改正」
中本 智恵