4. 令和6年度に実際に課された均等割額はいくらだったか

保険料率は全国平均の額なので、実際に課された額は軽減などを反映した水準になります。

年報の都道府県別保険料賦課状況には、軽減などを反映したあとの額が載っています。

4.1 均等割(控除後)の1人当たり平均は3万3217円

令和6年度の全国計で、1人当たり保険料調定額のうち均等割(控除後)は3万3217円でした。

同じ令和6年度の均等割額は年5万389円なので、控除後の額とは1万7172円の差があります。この差が、軽減などによって実際には課されなかった分にあたります。

4.2 所得割(控除後)は1人当たり5万3718円

同じ全国計で、1人当たり保険料調定額のうち所得割(控除後)は5万3718円でした。所得割の算定のもとになる1人当たり課税対象額は74万9919円です。

均等割は被保険者1人ごとに同じ額がかかり、所得割は所得に応じて変わります。実際に課された額では所得割のほうが大きい水準になっています。

5. 後期高齢者医療の賦課額の限度額は区分ごとに定められている

所得が高い方については、保険料に上限が設けられています。

5.1 基礎賦課額の限度額は85万円

高齢者の医療の確保に関する法律施行令では、基礎賦課額は85万円を超えることができないと定められています。

医療分の保険料がこの額に達すると、それ以上は課されません。1人当たりの平均保険料額が年9万5875円であることと比べると、上限に到達するのは所得が相当高い方に限られます。

5.2 子ども・子育て支援納付金賦課額の限度額は2万1000円

同じ施行令では、子ども・子育て支援納付金賦課額は2万1000円を超えることができないと定められています。

基礎賦課額の85万円とは別枠なので、両方が上限に達した場合の合計は87万1000円です。国民健康保険の子ども・子育て支援納付金賦課額の限度額は3万円で、制度によって額が違います。

6. 所得区分は8月に見直される

所得区分は一度決まったら固定されるものではなく、毎年見直されます。集計のしかたにも押さえておきたい条件があります。

6.1 判定に使う所得は前年分、1月から7月までは前々年分

施行令では、窓口負担割合の判定に使う所得の額は、療養の給付を受ける日の属する年の前年の所得で算定すると定められています。ただし療養を受けた月が1月から7月までの場合は前々年の所得です。

つまり8月になると、判定の基礎になる年が1年分新しくなります。所得が変わった年の翌年や翌々年に負担割合が動くことがあるのは、この仕組みによるものです。

6.2 被保険者数は各月末の平均

年報の被保険者数は、各年度における各月末の平均として集計されています。年度末の1時点の人数ではありません。

所得区分別の内訳も同じ集計方法です。ほかの資料と突き合わせるときは、どの時点の人数なのかを確かめておきます。

6.3 一定以上所得者の区分は令和4年10月に導入された

「一定以上所得者(一般所得者Ⅱ)」と「一般所得者Ⅰ」は令和4年10月に導入された所得区分です。

そのため令和4年度の数値は令和4年10月から令和5年2月までの5か月分の報告にもとづくもので、年報では他の年度の数値とは単純に比較できないと注記されています。区分ごとの推移を見るときは、令和5年度以降を並べる形になります。

7. まとめ

2026年9月9日に公表された令和6年度の後期高齢者医療事業状況報告では、被保険者2005万3946人のうち窓口負担1割の区分が1447万7437人で72.2%を占めていました。

窓口負担2割の一定以上所得者(一般所得者Ⅱ)は405万7359人で20.2%、3割の現役並み所得者は151万9150人で7.6%です。

保険料は令和8・9年度の医療分で均等割額が年5万6083円・所得割率が10.17%となり、令和8年度からは子ども・子育て支援金分が加わります。実際に課される額は軽減などを反映するため、通知が届いたら均等割額と所得割額の内訳を確かめてみましょう。

参考資料